大人気マンガ「キングダム」が来年2月に帝国劇場(東京都千代田区)で舞台化されることが6日、明らかになった。キャスティングは現在進行中。戦闘シーン満載の壮大な歴史スペクタクルが帝劇のステージでどう展開するか、注目を集めそうだ。

「キングダム」(作・原泰久)は、06年に「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載がスタートし、現在までに64巻、累計発行部数8700万部を突破する人気マンガ。春秋戦国時代の中国を舞台に、戦災孤児の少年、信と、後の始皇帝となる若き王、政が中華統一を目指す道のりを描く。

12年からNHKで3度アニメ化。19年には俳優山崎賢人主演で映画化され、今夏には続編の公開も控えている。制作の東宝によると、16年、映画化決定の際に公開されたイメージビデオをきっかけに構想が始まり、19年に企画を集英社に持ち込んだところ、快諾を得たという。

舞台版では、天下の大将軍を目指す信が、弟の反乱で玉座を追われた秦王、政と出会い、王都を奪還するまでの「王都奪還編」を中心に描かれる。

東宝関係者は「原作ファンにも、演劇ファンにも楽しんでいただける作品にしたい」。また「若き王が始皇帝になっていくまでをドラマチックに描いた強度のある作品。激動に巻き込まれていく2人の少年の姿をスピード感をもって描き、帝国劇場ならではのスケールの大きな舞台にしたい」と自信をみせる。

キャスティングについて、「等身大の少年が、社会的な地位や壁を越えていく物語。そんな人物像が重なる俳優さんをキャスティングしたい」。また「キャラクターが強いので、個性をお持ちの俳優に集まってほしい。主人公と同様、ここからスターになっていくようなフレッシュな顔ぶれになると思う」としている。

世界的に読まれている作品とあって、世界展開も視野に入れている。「何も持っていない市井の人が、剣1本で壁を乗り越えていく姿は、今の時代に勇気付けられる。劇場を出た時に、エネルギーを持って帰っていただきたい」という。