第94回米アカデミー賞を翌日に控え、邦画初の作品賞と脚色賞など4部門にノミネートされた映画「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督(43)主演の西島秀俊(50)らが米ロサンゼルスで取材に応じた。

濱口監督は作品賞、監督賞を争う「ウエスト・サイド・ストーリー」のスティーブン・スピルバーグ監督と夕食をともにし「夢のような時間」と、世界最高峰のエンターテインメントの舞台を堪能した思いを語った。授賞式は27日(同28日)にドルビー・シアターで行われる。

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濱口監督は「この映画と一緒に素晴らしい旅をさせていただいた」と感慨深げに語った。邦画初の脚本賞を受賞した昨年のカンヌ映画祭(フランス)で世界の映画人と接したが、アカデミー賞に来なければ巡り会えないスピルバーグ監督との出会いは至福だった。

「スピルバーグ監督に、ノミネートされた人と一緒にディナーを囲む場でお会いできた。僕が尊敬するジョン・カサベデス監督のインターンをした話とか『スター・ウォーズ』を編集前に見てとか、1つ1つが映画史みたいな話でした」

「ドライブ・マイ・カー」についても「家族みんなで見た。素晴らしかった」と感想を伝えられ「夢のような時間でした」と語った。

海外作品への出演や映画祭への参加も豊富な西島は「映画を愛し製作している人たちの集まり。仲間という気持ちで参加したい」と語った。その上で「なかなか行けない場所。見て、感じたものを持ち帰り若い世代がたくさん来られるように、何か伝えられたら」と日本映画界の未来につなぐ覚悟を示した。

ノミネート4部門のうち、国際長編映画賞は受賞最有力との予想が大勢だ。ニューヨーク・タイムズ紙では20年に非英語作品初の作品賞、監督賞など4冠を獲得した韓国映画「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ監督との仮想対談特集まで組まれたが、濱口監督は「下馬評は何の意味もない」と口にした。

大事なのは「夢の世界」を楽しむことだ。「いち映画ファンとして、あんなところにデンゼル・ワシントンが、ペネロペ・クルスが、と単純に楽しみたい。あとは今年のアカデミー賞が、どこにいくのかを」。目は映画少年のように輝いた。【千歳香奈子通信員】

▽霧島れいか(49) ずっと夢心地。昔から映画館のスクリーンで見ている方たちが同じ会場にいるのかと思うと目の前にしても信じられないんじゃないかと。

▽岡田将生(32) 現実味がないというか、本当に明日、皆さんとあの場に立った時にことの重大さが分かるんだろうなと。一生に1度の経験になると思うので、たくさんの人と会っていろいろなものを吸収したい。

◆放送&配信 第94回アカデミー賞授賞式は、28日午前7時30分からWOWOWプライムとWOWOWオンデマンドで独占生中継&配信する。