監督賞は最多の11部門で12ノミネートされた「パワー・オブ・ザ・ドッグ」の、ジェーン・カンピオン監督(67)が受賞した。

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脚本賞を受賞した93年「ピアノ・レッスン」以来、2度目のノミネートでの監督賞受賞となった。国際長編映画賞を受賞し、邦画として初めてノミネートされた「ドライブ・マイ・カー」(濱口竜介監督)は受賞を逃した。

カンピオン監督は09年「ブライト・スター いちばん美しい恋の詩」以来、12年のブランクを経た新作での受賞に「監督として出来るのはストーリーに没入すること…でもそれを、世界に表現することは難しい」と語った。その上で、主演男優賞にノミネートされたベネディクト・カンバーバッチ、助演男優賞にノミネートされたジェシー・プレモンス、コディ・スミット・マクフィーらに「1人でやらなくていいのが、いいこと。俳優に励まされ、ちゃんと、このストーリーの深さに、みんなが果敢に挑んでくれた」と感謝した。

また濱口監督と「ウエスト・サイド・ストーリー」のスティーブン・スピルバーグ監督、「リコリス・ピザ」のポール・トーマス・アンダーソン監督、「ベルファスト」のケネス・ブラナー監督に対し「他の候補者の皆様も素晴らしい方ばかり。誰でも今日は栄誉に輝けたと思う」とリスペクトを込めたメッセージを送った。