笑いと音楽など多彩なジャンルを融合させる企画フェス「Warai Mirai fes 2022~Road to EXPO 2025~」が4月29日~5月1日、大阪・万博記念公園で行われる。25年大阪・関西万博へ向けて機運を盛り上げる企画公演は、吉本興業と、関西文化に関連するチーム関西の共催。人気芸人による寄席や、アーティストによる音楽ライブ、スポーツ教室なども予定されている。開幕を前に、出演3組に個々が描く「未来」を聞いた。3日連続で掲載します。【取材・構成=三宅敏、村上久美子】

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Mー1グランプリ決勝経験、キングオブコント決勝経験を持つ人気コンビ、アキナは「Warai-」フェスのサッカー教室(30日午後3時)に出演する。

秋山賢太(38)は小中高とサッカー経験を持ち、MFとしてグラウンドを駆け回った。中田英寿、前園真聖らにあこがれた世代。「日本郵便・郵便局長が教える! アキナと一緒に絵手紙をつくろう」(29日午後0時30分)にも登場予定。

その秋山は「未来」について、舞台にかけるただならぬ情熱を語った。

「今も頑張ってますが、この先も、ずっとNGK(なんばグランド花月)のステージに立ち続けたいんです。初めてNGKに出て5年ほどになりますが、お客さんの前に立つ緊張感は格別」

相方の山名文和(41)にも同じ思いがある。

「もちろんテレビにも出たいですよ。でもナマの舞台は特別なんです。舞台をおろそかにしていると、自分が何者なのか分からなくなってしまいます。NGKの客席は老若男女さまざまで、ひとつの町のよう。ここで受けることができれば、人を選ばず、どこでも勝負できるんです」

ともに子どもの頃は、今いくよ・くるよ、宮川大助・花子、オール阪神・巨人らの漫才を見て笑い転げた。今はアキナが彼ら彼女らの後を追う。

「今はまだNGKのトリを目指すといえる立場ではないですが、今後も継続して舞台に立っていたい。NGKこそ芸人なら誰もが一番出たい劇場だと思いますから」と秋山。

遠い将来については、まだピンと来ない。考える余裕もないという。ただ目の前の舞台を「1日1日を全力で務める」ことで、今は見えない「いつか」のために力を蓄えたい。

NGKは、吉本芸人すべてにとって最高峰の舞台。長い歴史が刻まれ、無数の汗が流れてきた。

継続こそ力。アキナは一歩ずつ吉本芸人の王道を進もうとしている。

◆アキナ 山名文和(やまな・ふみかず) 1980年(昭55)7月3日、滋賀県東近江市生まれ。趣味は読書、少林寺拳法。妻は吉本新喜劇の宇都宮まき。NSC(吉本総合芸能学院)26期生。

秋山賢太(あきやま・けんた) 83年6月24日、兵庫県猪名川町生まれ。得意なスポーツはサッカー。妻は塚本麻里衣ABCアナウンサー。NSC25期生。

コンビ結成は12年。16、20年Mー1グランプリ決勝進出。14、15、17年キングオブコント決勝進出。15年NHK上方漫才コンテスト優勝。

◆Warai Mirai fes 2022~Road to EXPO 2025~ 関西文化を発信し、25年大阪・関西万博へつなげようと、吉本興業とチーム関西が共催。SDGs達成に向け、エンターテインメントの本質的価値は「心のつながり」と位置づけた取り組みの一環。

笑い、音楽ライブが上演される「M-Stage」と、体験コーナー「W-zone」などがあり、ライブ会場の「M-」は3日間の日替わり企画。初日は陣内智則、浅越ゴエがMCを務めるお笑いライブ、2日目はニューヨークが進行し、GENERATIONS from EXILE TRIBE、NMB48ら多様なジャンルのアーティストが集結。最終日はMCをレイザーラモンが務め、中川家、テンダラー、かまいたちら人気芸人が、氣志團、くるりらアーティストと融合する。

また、体験コーナーでは、元プロ野球選手の星野伸之氏、北京五輪陸上の銀メダリスト朝原宣治氏らのスポーツ教室などを予定。70年大阪万博を伝える「EXPO’70パビリオン」も。