是枝裕和監督(60)が13日、都内で第75回カンヌ映画祭でソン・ガンホ(55)が韓国人俳優初の男優賞を受賞した韓国映画「ベイビー・ブローカー」(24日公開)の凱旋(がいせん)会見を開いた。同監督は、カンヌ映画祭が開催されたフランスから直接、韓国に入り、4日の封切り後、韓国内でプロモーションを展開。13日に成田空港に帰国した足で到着した。

是枝監督は、韓国での反応を聞かれ、到着時の反応を聞かれ「空港が揺れていました。職員が職場を離れて着いてきて…大丈夫かな? と。ザワザワ着いてきて、出入り口に待ち構えていた」と、空港の職員から大歓迎を受けたと振り返った。その上で「国民的スターが、カンヌで男優賞。オリンピック以上なんだなと改めて分かった」と感慨深げに振り返った。さらに、IUとして絶大な人気を誇るシンガー・ソングライターのイ・ジウン(29)の人気がすごく「イ・ジウンさんのファンが空港の外に、あふれていた」とも振り返った。

韓国では4日に公開し、同国のランキングで1位に輝いた。是枝監督は「授賞式に参加して、ソン・ガンホさんの名前が呼ばれた時は、あっ、なるほど、この作品に対する最高のゴールだな、ということに気付きました」と、ソン・ガンホの男優賞受賞への感慨を語った。その上で「その日の夜、韓国チームでお祝いをしたんですけど、みんな幸せな夜でした。役者が褒められるのが…やっぱり1番、うれしいんですよね」と語った。

さらに、04年「誰も知らない」に14歳で初主演して、日本人俳優初の男優賞を受賞した柳楽優弥(32)の受賞当時を振り返り「柳楽君の時(日本に)帰ってしまって僕しかいなかった。役者と抱き合ったのは初めて…特別な夜だった」と語った。その上で、ソン・ガンホが口にした感想を聞かれると「『キャスト、みんなで取った賞だから』と謙虚に言われていましたし、僕の演出で…というより、どの監督でも取っておかしくなかった」と振り返った。その上で「作品にとっては幸せですけど、韓国の監督には僕らのソン・ガンホというのがあるでしょう。ちょっと、申し訳ないです」と韓国の監督たちに申し訳ないと語った。