お笑いコンビ、パックンマックンが、お弁当の開発に初挑戦した。23日から静岡・浜松の弁当店「自笑亭」が発売する「おに弁」で具材の選定、パッケージ作りなどを担当した。

パックンマックンが起用されたのは、かつて静岡放送の情報番組「静岡発そこ知り」「みちブラっ!静岡十八番」のリポーターを務め、県内グルメ情報に通じているから。オリジナルの「パックンマックンおに弁」も作った。パックン(52)の故郷・米国コロラドのバーベキューソースの牛肉と、マックン(49)が選んだ浜名湖産アサリの煮付けのコラボだ。

「おに弁」は「おにぎり以上お弁当未満」というコンセプト。縦8センチ、横10センチ、高さ3センチの静岡産コシヒカリで作った器のくぼみにウナギ、釜揚げシラス、三ケ日牛、アサリなどの地元名産品からエビチリ、エビフライ、焼きそばまでがラインアップされて入り、器ごと食べられる。冷凍バージョン発売も予定されている。

オリジナルの「パックンマックンおに弁」についてパックンは「たれの染み込み具合が、日米混じっていていい。おにぎりのようでもあり、丼のようでもある。僕は常に何かをやっている人間なんで、片手で持って食べられるのは楽でいいですね」と言う。

発売を前に、パックンマックンは浜松の工場を訪れて最終チェックをした。パックンは「一番すごいのは、入れ物がご飯で出来ていること。まさにはやりのSDGs。手軽に、しかもしっかり食べられる。浜名湖とか、静岡の西地区を中心とした食材を豊富に使っている。ウナギのタレの染み込み具合が絶妙だね」。

自笑亭は1854年(安政元)創業。浜松で料亭を営んでいた山本六兵衛が浜松城主・井上正直河内守から「人の心を安らかにさせる自然の笑みが素晴らしい」と「自笑亭」の屋号を贈られた。

マックンは「この自笑亭っていうのがね、寄席みたいでいいね。これからは自笑亭マックンと自笑亭パックンで行こうかな」と笑う。

来月17日には、浜松の「えんてつホール」で結成25周年記念の「パックンマックン ワールドツアー!」浜松公演も予定されている。マックンは「最初のマネジャーが浜松出身で、いろいろなお祭りに呼んでいただきました。あと、静岡では5年も旅番組をやらせていただいて、県内くまなく行ってますから。静岡各地でおいしいものを食べている経験を生かして、今回も恩返しのつもりで、真剣に具材のメニューを検討してアイデアを出しました」と話している。

2人は食通としても知られている。パックンは子供のために作ったお弁当をインスタグラムにアップ。釣り好きのマックンは釣った魚を自らさばいて料理する。

パックンは「この『おに弁』をいろいろな人に食べてもらいたい。インスタ映えする景色のいいところに行って食べるのをアップしてほしいですね」。マックンは「僕は船で釣りをするので、さおを出しながらササクッと食べるのもいいね」。

パックンが「じゃあ、僕はバイクが趣味だから、バイク乗りながらね」とボケると、マックンは「それダメだよ」とツッコミ。「でも、学園祭とか、運動会とかイベントの時、あとは海岸でも山でも、レジャーのお供にいいね」と笑顔を見せる。

予定されている冷凍バージョンについて、パックンは「瞬間冷凍でうまさを封じ込めるからね。これをテレビ局の楽屋にお弁当として用意してもらえたらいいね」。マックンは「ああ、東京に支店を出してもらって、ロケ弁とか、楽屋においてもらうようにできれば。この先も、ここのシリーズを開発していきたいですね」と話している。

自笑亭の伊藤篤社長は「具材は静岡の名産がたくさんありましたが、ポイントになったのは器の役目もするご飯の型取り」と説明する。「コンビニのおにぎりを作るメーカーさんにお願いして、ご飯とご飯の間に適度に空気を入れながら型取れるように工夫してもらいました」と話している。

「おに弁」の重量は役150グラム。ご飯の量について伊藤社長は「おにぎりっていうのは大体90グラム、お弁当はだいたい200グラムくらい。おにぎりの1・5倍で、お弁当の6割というのを目指しました」と説明している。【小谷野俊哉】