広瀬すず(23)が15日、東京・新宿バルト9で行われた、松坂桃李(33)とのダブル主演映画「流浪の月」トークイベントで、李相日監督(48)に「ラストシーン、どこ行っちゃったんだろう?」と当初、撮っていたラストシーンをカットした理由を問いかけた。

広瀬は、李監督から「4時間くらい撮っていて落とした(シーンをカットした)。何で落としたの? と思ったところはあった?」と聞かれると「2個」と笑みを浮かべた。その後「じゃ1個」と言い直して、ラストシーンを挙げ「結末というかラスト、違うじゃないですか?」と問いかけた。その上で「手をつないで横に寝て(という映画のラストは)ラストシーンの1こ前にあった。ラストシーン.どこ行っちゃったんだろう? と初号見てビックリした」と、松坂と演じた映画本編のラストシーンの前に、撮影当初は違うラストシーンがあったと明かした。

李監督は「旅立っていく電車の中で向き合って、シュークリームを食べる旅立ちで終わった」と、広瀬が演じた家内更紗と松坂が演じた佐伯文が、電車に乗るシーンがあったと説明。カットの理由については「(2人が)幸せそうだった。満たされている、良い表情だったと思いつつ…余韻がなかった。全て収まってしまい、見たい姿を見て終わった気がして。ああいう姿は(映画を)見たお客さんが、自分の映像として見て欲しかったなと撮って気付いた」と、観客が映画の余韻を自身の中でかみしめ、内面で想像して欲しかったシーンまで撮ってしまったと振り返った。「電車を借りて撮影するの大変ですよ…でも撮って気付くシーンもある。それで、なくなった」とも口にした。

さらに、李監督は、映画本編でラストにしたシーンについて「(2人が)手をつないで終わることに意味がある。また手をつないで、1つの月を見ているような…そこに深い余韻が生まれる」と説明した。その上で「納得いただけました? ちゃんと特典に入れるので」とブルーレイ、DVDを販売した場合、カットした撮影時のラストを特典映像にすると“予告”。広瀬は「私も、まだラストシーン、見ていないので特典、楽しみにしています」と期待した。

広瀬は、4日後の19日が24歳の誕生日であることを受けて、李監督から花束を贈られた。「今年、去年…隠すことなく、悩んでいることをテレビで言っていた。『流浪の月』に出演し、自分の中に大きなものが生まれて頑張ろうと思えた。監督と出会ったのは16、17歳だったので、またご一緒できるよう、努力しなければいけないとクランクアップから、ずっと考えていた」と、李監督との3度目のタッグに向け、精進していくと抱負を語った。