「ツッパリ High School Rock’n Roll(登校編)」などで知られるロックバンド横浜銀蝿のリーダーでドラマーの嵐(らん)ヨシユキ(本名田宮淑行=たみや・よしゆき)さんが4日午前10時46分、肺炎のため、川崎市内の病院で亡くなった。67歳だった。

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何事にも真正面から向き合う文字通りの「アニキ」だった。

96年、嵐さんのペンネーム、タミヤヨシユキを名乗るニセ者が長野県内に現れ、バンドコンテストの審査員を務めて出演料や飲食費を払わせる「事件」が起きた。わざわざ会見を開いた嵐さんは、ニセ者が「音楽やるならとことんやれ!」と熱く語っていたことを聞いて、「間違ったことは言っていないが、そいつの人生は間違っている」と真顔で話した。あまりに実直な答えに思わず笑った。外見には似合わない高い声に、そんなニセ者にさえ更生を促す優しさも感じた。

翌年、実弟のメンバーに薬物事件の疑いが掛かった時もその会見に同席し、容疑を否定する弟をじっと見守った。6年後、実際に弟が逮捕された時は髪とひげをそってライブに登場し「監督不行き届きでは済まされない」と深々と頭を下げた。薬物の勉強をし、定期的な尿検査を行わせて再犯を防いだ。不定期ながらオリジナルメンバーによるグループの活動が続けられたのも、そんなたゆまぬ努力があったからだと思う。

7年前、「有吉反省会」(日本テレビ系)に出演した嵐さんに司会の有吉弘行がこの事件について平然と突っ込んで見せたのも、何事もそらさないその姿勢と、おおようなアニキ気質を分かっていたからだろう。「そこは触れちゃダメ」といいながら、嵐さんは動じない。サングラス越しの笑顔が記憶に残った。【相原斎】