シンガー・ソングライターさだまさし(70)が12日、インスタグラムを更新。銃撃により亡くなった安倍晋三元首相について書いたコラムを転載し、「ただただお母さまの洋子さんのお気持ちを思うとき、胸が痛みます」と思いをつづった。

さだは「安倍さんを送る」と題したコラムで、「なんとも辛く悲しく、酷い出来事でした」と安倍氏が凶弾に倒れた事件に言及。多くの支持と多くの批判を受けてきた安倍氏について「政治家ともなれば、まして総理大臣ともなれば国が行うことの全てを『総理の名の下に』たった独りで責任を取るわけですからその重圧は凄まじいと思います。当然その評価には、想像を絶する恨みも妬みも感謝も愛も渦巻く事になります。日本で一番孤独で、日本で一番寂しくて、日本で一番苦しい立場でしょう」とねぎらい、「もっともそれを『生き甲斐』と感じられる人でなければ、とてもとても出来ない仕事でしょう」と推察した。

自身は安倍氏と個人的な付き合いはなかったというが、「お母さまの安倍洋子さんはここ10年近く毎年僕のディナーショーにお出かけ下さっています。といっても政治のお話などするわけではありませんし『お元気でいらして下さいね』と極めて普通のご挨拶をするだけでした」と、自身のショーに客として訪れる安倍氏の94歳母と交流があったという。

また、2018年に「日本・エクアドル外交関係樹立100周年」を記念した公演を行ったさだは、そうした縁もあってか、モレノ・エクアドル大統領を迎えての安倍総理主催晩餐会に招かれ、歌唱の依頼を受けたという。「急でしたがギターを抱えて官邸に伺うと、総理がいきなり『母がいつもお世話になっております』と頭を下げられました。『お世話になっているのはこちらです』と申し上げましたが、お母さん思いの人なのだと言うことは解りました。この晩は『秋桜』を歌いました。その後お母さんに誘われてか、一度ディナーショーにご夫妻でお出かけ下さった折に客席で握手をしたことがありましたが、ゆっくりとお話をする機会はありませんでした」と、安倍氏との思い出を回想した。

「そういうわけですから僕は安倍さんの人となりを語る立場にはありませんが、ただただお母さまの洋子さんのお気持ちを思うとき、胸が痛みます」と、さだ。「言いようのない切ない思いで今日一日を過ごしています。合掌」と悼んだ。

 

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