作家で元東京都知事の石原慎太郎さん、戦後最大のスター石原裕次郎さん兄弟を育てた母石原光子さんによる「我が息子、慎太郎と裕次郎」(青志社)が10日に発売される。

86年出版の「おばあちゃんの教育論」を改題、復刊したもの。新たに、兄弟と石原家の秘蔵写真48枚が掲載される。

広島県生まれの光子さんは、慎太郎さん、裕次郎さんというスーパー兄弟を育て上げ、2人の活躍を陰で支え続けた。92年に82歳で亡くなるまで表に立つことはめったになかったため、子育てについて書いた「おばあちゃんの-」は話題になった。同書は絶版になり、現在は古書市場にほとんど出回っていないという。

前書きには「ふたりの息子は、それぞれ世間にすこしは名を知られるようになりましたが、私にとってはそんなことはどうでもいいことです。社会のためにすこしでも役に立とうと努力し、いっぽうで親をだいじにする人間に育ってくれたこと、これだけで私には十分です」などと書かれ、経験を語っている。

慎太郎さんが今年2月に亡くなり、裕次郎さんが亡くなって今年で35年。復刊について、青志社社長の阿蘇品蔵氏は「子供たちの自主性を重んじた光子さんがどういう子育てをしたのか、あらためて伝えたいと思いました」と話している。