吉本興業の岡本昭彦社長(55)が東京と関西でお笑い劇場を増やす考えがあることを明かした。8日放送のお笑いコンビ、矢野・兵動の兵動大樹(52)がパーソナリティーを務めるABCラジオの特番「ラジオパーソナリティ帝王への道! 兵動大樹の十番勝負」(午後8時)に出演。岡本社長は兵動に劇場について聞かれ「増えます。どこがとかまだ言えないですけど、東京の方でも今、いろいろ検討していますし、関西でもいいお話があればと思うし」と語った。

昨今の吉本はオンライン配信にも力を入れており、3月にはBSよしもとも開局。岡本社長はそんな中でもあくまでベースはリアルの劇場であることも強調し「アナログがベースにないとデジタルだ何だと言っても戻ってきますから。新しいことをやりにいく分、劇場、リアルなところを大事にしていかないと」と力を込めた。

また吉本芸人の聖地となっている大阪・なんばグランド花月(NGK)についても触れ「僕はNGKの舞台袖を見に行きなさいって新入社員に言うんです」と語り「あそここそ神髄、魂があると思うんです」と熱弁。若手からベテランまでが混同する場所で、出番直前の緊張する姿や、舞台へと出ていく背中の尊さを感じることは貴重な経験になると説いた。これには兵動も同調し「前の番の人がお疲れさまでしたって言って、次の人が出ていくときの背中、めちゃくちゃかっこいいんですよね」と応じていた。

同番組は、兵動が夢中になったラジオパーソナリティーや、普段なかなか話せない人物をゲストに呼んで対談する特別番組で、今回が第8弾。これまで原田伸郎、浜村淳、西川のりお、笑福亭鶴光、山本浩之、桂南光、オール巨人が出演してきた。

兵動と岡本社長はほぼ同時期に吉本に入り、同じ劇場や芸人の風景を見てきた同志でもあることから出演が実現。岡本社長が現職に就いて以降、メディアで胸中を語るは今回が初めてとなる。放送日は笑いの日でもある8月8日とした。

番組では岡本社長の生い立ちのほか、コロナ禍への思い、19年に起きた闇営業問題、創業110周年を迎える吉本の今後の展望などについて語られた。