落語家桂文珍(73)が8日、大阪・なんばグランド花月(NGK)で、毎夏恒例「吉例88 第40回 桂文珍独演会」を開いた。

文珍は毎年、すえひろがりの「8月8日」を吉例とし、本拠地NGKで独演会を開いてきた。今年は40回目。この日、一礼して舞台に現れた文珍は、鼻にティッシュを詰めて現れた。

その心は-。「(地球温暖化防止のため)CO2を半減させようと…」と説明。あいさつからいきなり、会場をわかせ、節目40回への思いを続けた。

「40年前は、おしんの大ブームがあり、レーガン元アメリカ大統領と中曽根康弘元首相の『ロン・ヤス会談』ありました。ファミコンも登場し、その5年後にはゲームソフト『さんまの名探偵』が出まして、ゲーム内でいきなり私が殺されました(笑い)」

時代は流れ、携帯電話、スマートフォン、タブレットなどが登場。文珍は“進化”について触れ、デジタル難民をテーマにした創作「デジナン」へ入った。

締めに演じた古典は、大ネタ「らくだ」。演じるのは「25年ぶり」と言い、黒の羽織と着物で舞台へ出ると、マクラもなく、深々と頭を下げたのちすぐに本題へ入った。

最後のあいさつでは「今日は、まったく違う色の話をふたつ、やってみようかなということで、『デジナン』と『らくだ』を」選んだと明かした。

「あと何年やれるかわかりませんが、健康に気をつけながら一生懸命、頑張りたいと思います。はなし下手、笑い上手に助けられ、40年、本当にありがとうございました」と感謝の思いも伝えた。