アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の冬月コウゾウ役などを務めた俳優、声優の清川元夢(きよかわ・もとむ)さんが17日に肺炎のため死去した。87歳だった。22日、所属する俳協が発表した。清川さんの死去を受け、同シリーズの監督を務めた庵野秀明氏(62)が、代表を務めるアニメ制作会社「カラー」の公式ツイッターで追悼した。

庵野氏は「学生の頃から大ファンだった清川元夢さん御逝去されました」と訃報に触れ、「まだまだ新たな役をお願いしたかったのに、残念でなりません」としのんだ。

清川さんとの最後の思い出も振り返り、「偶然新宿でお会いした時に『庵野ちゃん。エヴァ早く終わらせないと俺、いなくなっちゃうよ』と笑顔で話され、シン・エヴァの2回目のアフレコ時に『庵野ちゃん、間に合って良かったね』と笑顔で去っていった清川さんを、最敬礼でアフレコスタジオ出口で見送ったのが、今生の別れとなりました。お悔やみ申し上げます」とつづった。

最後は「色々出ていた過去作品の裏話を楽しそうに話されていた時の笑顔は忘れません。ありがとうございました」と感謝で結んだ。

清川さんの葬儀は遺族の意向により、近親者で執り行われた。ほかにもNHKで90年代に放送され伝説的人気を獲得したアニメ「ふしぎの海のナディア」のガーゴイル役や、「機動戦士ガンダム」のテム・レイ役などを演じた。特撮や映画吹き替えなども幅広く手がけた。