宝塚歌劇団の宙組ホープ、亜音有星(あのん・ゆうせい)が13日、兵庫・宝塚大劇場で、「HiGH&LOW-THE PREQUEL-」新人公演に主演。昨年の前々作以来、2度目のセンターに立った。

「(初主演の)前回は(トップ用の)光がまぶしくて、(舞台と客席の間にある)銀橋を歩くことすら不安で…。でも今回は経験があったから、堂々と渡れました。前回は明日本番と思うと不安でしたが、今回は『もうやるしかない』と思えました。1回、経験することで強くなれました」

満面笑みで、振り返った。今作の本公演は、宙組トップ真風涼帆が主演し、宝塚歌劇がEXILEらを擁するLDHとコラボした第2弾。ドラマ、映画、音楽などとも融合した作品群の前日譚(たん)を描き、「山王連合会」リーダーのコブラにふんした。

亜音は原作も読み、ドラマも見て、しぐさはドラマなどでコブラを演じた岩田剛典を参考にし、表情や心情の機微、たたずまいは真風を見て学んだという。その真風からは、2度目の主演で「堂々と立てるように」とアドバイスされた。

「前回は(演技など)細かくいろんなこと、教えてくださいましたが、今回は男役として仲間を率いて堂々と立つこと、メンタルを指導していただきました」

7年目までが出演する新人公演で、亜音は6年目。「学年も上だし、(仲間を率いる)深いところまで教えていただいたので、自信に変わりました」と、真風に感謝した。

亜音は17年入団。長身173センチのホープは、昨年「シャーロック・ホームズ」で、103期生一番乗りで新人主演。真風をはじめ高身長が多い宙組でも、男役としてひけをとらない立ち姿。美形で華やかなルックスも加わって、豊かな将来性を感じさせた。

相手役は、4年目の山吹ひばりが務め、新人公演2回目のヒロイン。主演の亜音と同じく昨年の「シャーロック・ホームズ」で、ヒロインに抜てきされ、再びのタッグ。亜音に「ずっと一緒に稽古をし、いてくださって、舞台に出ても心強かったです」。本役のトップ娘役潤花からは「落ち着いて」「冷静に」と指導してもらい、2度目のヒロインに、成長も実感。「前回は本番で自分の心をロックしてしまったんですけど、今回は相手役さんとお芝居のやりとりやできました」と、手ごたえもつかんだ。

今作の新人公演は、東京宝塚劇場でも10月27日に上演予定。

亜音は「今日は課題もたくさん見つかった。とくに歌のお稽古をして、東京に臨みたい」と話していた。