松井玲奈(31)主演映画「よだかの片想い」(安川有果監督)の公開記念舞台あいさつが17日、都内で行われた。

島本理生の同名恋愛小説を映画化。松井演じる主人公が、顔にアザやケガを負った人のルポルタージュ本の取材を受け話題となり、中島歩(33)演じる、そのルポを映画化する監督に出会い、ひかれていくストーリー。「遅い初恋」がテーマだ。

原作の大ファンだった松井が、映画関係者に自身の思いを伝えるうちに、映画化が実現したという。

松井は「この作品のためにたくさんの人が力を貸してくれて、公開することができて、本当にありがたいです。その期待に応えねばとやってきました。SNSはチェックしてまして、映画の感想には『いいね』、をしています」。いわゆるダメ男を演じた中島は「僕もSNSは見ています。何をつづってもらっても、僕はいいのですが…。でも、傷つくことは傷つきます」と笑わせた。

原作への思いが強い松井だけに、脚本のセリフや演出などについて、安川監督とは、何度も何度もディスカッションを重ねてきたという。安川監督は「主人公は自立した女性に見せたいと思っていたのですが、あるシーンで、主人公がなんというか、ポワーンと見えてしまうシーンがあって。そこをカットしたのですが、松井さんがどうしてというので。1度やってみたら、案外よくて、いけるかもと思いましたが、最終的には、ゴメンといって、カットしました。今でも夢に出てきます」と振り返った。

安川監督によると、松井と中島は演技へのアプローチが違うという。「中島さんはその場で起きることを大事にしていて。自分の中にある役柄の様子を出す感じですかね。松井さんは、主人公の感情とか、しぐさとかを準備して、自分がどう映るかまで考えているタイプですね。普通は、どちらかが相手に合わせるのですが、今回は、2人のそれぞれの演技のまま、成立していました」と話した。