シンガー・ソングライターで俳優の泉谷しげる(74)が発起人を務める、持続可能な新しいロック・フェス「北九州ロックフェスティバル2022 with SDGs spirits」が24日、北九州市小倉のミクニワールドスタジアム北九州で開催された。快晴に恵まれたこの日は絶好のコンサート日和。会場には1万550人(主催者発表)が詰めかけた。

泉谷も上機嫌で「俺の目指すロックフェスは地域活性化のイベント。新しいスタイルのロックフェスを若いやつらと考え、実践する時が来た」。フェスには、泉谷の考えに賛同した森高千里やDISH//、ももいろクローバーZら9組が出演。フェスは10時間にわたって繰り広げられた。

泉谷は「北九州市は環境先進都市を掲げている。SDGs推進都市である北九州市での開催こそ意味がある」と話す。「エコ&クリーン、そしてSDGsスピリッツの共有をテーマに、持続可能なロックフェスってやつを、地元の若い連中と一緒に作り上げたかった。このフェス開催を、その元年にしたい」。

新型コロナウイルスの感染拡大で、冷え込んだ野外イベントやエンターテインメント業界を泉谷流に盛り上げたいという思いもあった。

「政府は規制の緩和策を打ち出しているが、感染者は下げ止まらない。今後も終わらないだろうコロナ禍で、結局、俺たちには大きな方向転換が求められているんじゃないか」いう。その上で「俺がSDGsと言ったら似合わないだろうけど、今やロックフェスは地域活性化の催し。それを山の奥深くでやっていたら動力も経費もかかる。やっぱり駅から徒歩で行けて、いざという時は近くに病院もあるところで、快適にフェスを楽しめる方がいいに決まってる。しかも、地元の若者と一緒にアイデアを出し合って理想のフェスを作り上げることこそが、実はサステナブルなフェスの実現になるんじゃないかと思っている」。

泉谷の考えを盛り込み、今回のフェスではアプリで人流を徹底管理し「入場や物販、飲食で密集や混雑、行列を作らないことに取り組んだ」

さらに、フェスでは最大の課題となってきた「食品ロス」についても、余った調理済みの食品はフードステーションに集約し、割引販売をすることで食品の「廃棄ゼロ」を目指した。その他、太陽光発電を利用した「充電スポット」なども会場の各所に設置するなど「SDGs持続可能な社会の実現を支えるクリーンエネルギーを身近に感じてもらえる機会も提供したが、みんな地元の若いやつらのアイデアから実現した」。

「私がオバさんになっても」や「気分爽快」「雨」などヒット曲を中心に歌った森高は「素晴らしいコンセプトを持ったイベントに参加で来てうれしい」と言えば、ももクロも「行くぜっ!怪盗少女」や「吠える」などを歌い踊り「泉谷さんと一緒のステージに立てて良かった」。

中でも、DISH//の北村匠海と泉谷がコラボした「眠れない夜」は会場も総立ちに。

フィナーレでは泉谷が代表曲「春夏秋冬」を披露。「これからも若いアーティスト、次の世代のアーティストと一緒にロックフェスの新しいフォーマットを作り上げていきたい」と気勢を上げた。