杉咲花(25)が16日、東京・杉並区立杉並第二小学校体育館で行われた主演のアニメ映画「ぼくらのよあけ」(黒川智之監督、21日公開)特別試写会に参加した。同校は、杉咲演じる主人公・沢渡悠真たちが通う小学校の舞台で「劇中の舞台になっている場所にお邪魔させていただく経験は、なかなかないこと。先ほど(劇中に出てくる)げた箱にも行って来て悠真としての時間を過ごせた気がしてワクワクしました」と笑みを浮かべた。

「ぼくらのよあけ」は、漫画誌「月刊アフタヌーン」(講談社)で11年に連載され、SF賞の星雲賞の候補にもなった今井哲也氏の同名漫画のアニメ映画化作品。杉咲演じる悠真は、宇宙とロボットが大好きで前代未聞の極秘ミッションに挑む少年だ。杉咲は自らの小学生時代も思い出したようで「小学校に来られる機会は、あまりないので思わずニコニコする時間だなと思いました。想像以上に、げた箱が小さくて、小学生時代の身長や当時見ていた世界を思い出して『はあ~』となった」と口にした。さらに「待機場所としてお借りした音楽室も懐かしい空間。普段あんなに楽器が置いてある場所に行くこともないので、エモーショナルな気持ちになりました」と懐かしんでいた。

黒川監督は、製作開始前の20年頃にロケハンで同校を訪れており「地元の皆様や在校生が体育館というなじみのある場所で映画を観るのは特別なことなので、この作品でその機会に恵まれたのは光栄なことです」と感慨深げに語った。校舎と体育館は24年に建てかえのため取り壊されることが決まっており、在りし日の姿が作品という形で残された。同監督は「校庭も工事が始まる前で、その際に撮った写真を資料としてアニメ製作に生かしました。学校に対する自分のイメージと実際のスケールが違っていて、ロケハンは面白く良い経験になりました」と感謝した。

観客には同校の在校生や卒業生、物語の舞台である阿佐ケ谷の在住者も多数、おり質疑応答も盛り上がった。杉咲は小学校時代の様子を聞かれると「活発でしたね。休み時間になると男の子たちと鼻血を出しながらドッジボールをしていました。竹馬と鉄棒にもハマっていて、竹馬は1番高くして歩いたり、鉄棒では足かけ回りをしてひたすら回ったりしていました」と語った。夢をかなえる秘訣(ひけつ)を聞かれると「何がしたいのかを家族や周りの人に話すこと。そして行動を起こすこと。やってみたいという思いは周りの人と共有するようにしていました」と語った。

特別試写会の最後に、杉咲は「宇宙との〓(繋の車の下に凵)がりを感じられるとても夢のある物語。悠真とナナコが大切なものを信じて一歩一歩進んでいく姿は現実的で、SFとのバランスが魅力的です」と作品を紹介。その上で「私はこの作品を通して自分の大切な存在を思ったり、抱きしめたい気持ちになったりしたので、皆さんにも同じような気持ちになっていただけたらうれしいです」と呼びかけた。黒川監督も「今週の金曜日から映画館でも上映されるので、友人やご家族を連れて映画館という環境で、もう1度観ていただければと思います」とPRした。