祖父から直系3代の上方落語家、林家市楼(はやしや・いちろう、本名・鹿田圭人=しかた・よしと)さんが14日夜、大阪市内で倒れ、心臓疾患のため、亡くなっていた。42歳。上方落語協会が16日、発表した。

市楼さんは、祖父が3代目林家染語楼、師匠でもあった実父が4代目という落語家一家。父が亡くなった後に、一門の林家染丸へ預かりとなった。一門では染丸の意向を受け、市楼さんに5代目林家染語楼を追贈することを決めた。

事務所によると、市楼さんは、倒れる前日13日に沖縄でマラソン大会に出場しており、14日に帰阪。夕方ごろ、大阪市内の出先で突然倒れ、救急搬送されたが、回復はならなかったという。「体調にも問題はなく、本当に突然のことで…」と、事務所でも対応に追われた。

市楼さんは父、祖父の演じた新作も継承し、自らは新作、古典ともに高座にかけてきた。自身も将来的に「5代目」を継ぐことを目標に励んでいたため、師匠の染丸が追贈を決めた。

通夜は18日午後6時から、告別式は19日正午から、ともに大阪市東住吉区今川4丁目23の7「今川福祉会館」。喪主は市楼さんの姉、藤田(ふじた)さつきさん。