劇団東京乾電池所属の女優江口のりこ(42)が19日、TBS「人生最高レストラン」(土曜午後11時30分)に出演し、上京するまでの苦労を語った。江口は兵庫県出身。「小学校4年生の終わり頃に転校して、その土地が大嫌いだった。出たくて仕方なかった。どんよりしていた。その町がいつでも曇っている。本当に好きじゃなかった」。

高校に進学しないことは決めていた。「中学まで我慢して、中学から先に行かないのは小学校から決めていた。親には『好きにしたらいい』って。高校には進学せずに働いて、お金ためて上京しようと思っていた」。5人きょうだいで高校出たのは1人だけだった。

上京するために中学卒業後はアイスクリーム屋、カラオケ店員、洋服店などでアルバイトをしたものの、長続きしなかった。「失踪、急にいなくなる。ちゃんとコミュニケーションもとってなかった。一番続いたのでも2カ月」。せっかくお金をためても身内に足を引っ張られた。「兄から『金貸してくれ』と20万円ぐらい持って行かれて。それで挫折したりして。結局たまらない」。

しびれを切らして、行動に移した。「よく見ていた日本映画に柄本明さん、ベンガルさんが出演されていた。この人たちのいるとこに入れば、いいことあるかなと思った」。思い切って劇団東京乾電池の研究生募集の告知を見て応募すると、まさかの合格。「結局お金がないまま応募して、合格しましたっていう通知が届いて。2万円ぐらいしか持ってなかったけど、そのまま東京に行って、それからずっと東京にいます」。

上京後、CMオーディションに合格し、もらえるお金の大きさに驚いた。「こんなにもらえるのって思った。38万円ですけど。ほんの数時間でこんなにもらえるんだ」と当時を述懐した。