俳優市村正親(73)が主演ミュージカル「スクルージ」(7日初日、東京・日生劇場)の前日会見を6日、同劇場で行った。

英作家チャールズ・ディケンズの名作「クリスマス・キャロル」を原作にした、誰もが知る心温まる物語。金貸しのスクルージ役の市村は94年に初演し、今回は3年ぶり7度目の出演となる。

市村は「最初に演じたのは40代半ば。もうメークをしなくてよくなった。今日もほぼノーメークで楽でいい」とジョークで笑わせながらも「12月に上演できるのはいいですね。人生を見直すといういい作品なので、来年をどう生きるかを考えながら、1カ月乗り越えたい」と話した。

28年前からスクルージ役を演じるが、この作品は出ずっぱりで大変だという。「足、腰、肩にガタがきてますからね。体力勝負なので、千秋楽まで無事でいられるよう、健康に気を付けて乗り越えたいですね」。

クリスマス作品でもあり、中2と小5の息子たちは、何度か劇場を訪れる予定だという。「ダメ出しされるんですよ」と言いながらも、次男からはクリスマスプレゼントにスマホを求められているという。「お兄ちゃんには小5の時にあげたと言うんです。勉強の時間にはスマホを使わないと約束するなら、サンタさんにお願いしてあげる、と言っています」。もっとも、一昨年にサンタ衣装が見つかり「なんだ、だまされたと、言われました」。

来年はデビュー50周年を迎える。「いろんな意味で年齢との戦いです。コントロールしながら乗り越えたい」。さらに、今作を引き合いにしながら「人は1人では生きていけないと考えさせてくれる作品です。僕も、支えてくれる人がいて、支える人もいる。他人を思いやる、1人では生きていけないことを実感しています」と語った。