倍賞千恵子(81)が初の主演女優賞を受賞した。27日に日刊スポーツ公式YouTubeチャンネルでプレミア配信された特別番組内で発表された。

75歳以上が自ら生死を選択できる「近未来の日本」を舞台に高齢化社会の深刻さに焦点を当てた「PLAN75」(早川千絵監督)で9年ぶりの主演。主演女優賞として95年第8回の杉村春子さん(当時89)、91年第4回の村瀬幸子さん(当時86)に次ぐ、歴代3位の高齢受賞となった。

▽倍賞千恵子コメント

本当にありがとうございます。長いこと、この仕事をやっていまして、私もいい年になりまして「PLAN75」という映画で177本になるんですけど、すばらしいスタッフの皆さんとまた新たな出会いができて、映画に向かって一生懸命やっているスタッフの姿を見て、もう1回私は、一からスタートラインに立ったような気がしてやってまいりました。私よりもスタッフの皆さんがこの賞を一番喜んでくれているんじゃないかなと思います。映画を愛して見てくださっている皆さんのために、これからも体に気をつけて、心を大切にしながら、精進してまいりますので、これからもどうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。

◆倍賞千恵子(ばいしょう・ちえこ) 1941年(昭16)6月29日、東京生まれ。54年「ひばりの赤ちゃん」で歌手デビュー。60年松竹歌劇団入り。61年「斑女」で映画デビュー。63年、山田洋次監督「下町の太陽」に主演。映画「男はつらいよ」全50作で妹さくら役。

◆PLAN75 78歳の角谷ミチ(倍賞)は高齢を理由に仕事を解雇され、満75歳から生死の選択権を与える「プラン75」申請を検討する。市役所の申請窓口で働く岡部ヒロム(磯村勇斗)とコールセンターの成宮瑶子(河合優実)はシステムに強い疑問を抱く。