A.B.C-Z塚田僚一(36)が、主演舞台「風が強く吹いている」(22日まで、東京・シアター1010)に臨んでいる。初日前日に取材会があり、一部場面が公開された。

登場した塚田の体にまず驚いた。これまでの取材やバラエティーで見せてきた逆三角形の筋肉モリモリの体が、かなりシャープになっていて、腕も一まわりどころか、何まわりも細い。

というのも、同作は箱根駅伝を描いた作品。ランナーを演じるために、昨年から体作りに取り組んでいたのだという。塚田は「ランナーの体に仕上げました」と自信たっぷりだった。

塚田は昨年11月にフィジーク(ボディービルの種目)の大会に出た後、12月には舞台「ジャニーズ伝説」にも出演した。ボディービルとはまったく違う体作りに取り組み、舞台出演と並行して、ランナー体形を作っていったのだという。

食事は、肉類のタンパク質を減らし、魚からタンパク質を取るように心掛けたとか。減量もしなくてはならなかったが、食べないと舞台でエネルギー切れになってしまう。塚田は「『ジャニーズ伝説』では、本番で使うエネルギーの分だけの食事をしていました」と話し、具体的には、干し芋やサバの缶詰めなどを主に食べていたと明かした。サバ缶は何となく分かるが、干し芋というワードが新鮮だった。

笑顔で道のりを振り返っていたが、体作りは相当大変だったと思う。ただ、大変さについて聞かれると、体作りより、キャラクターへの内面のアプローチを挙げ、「今まで経験した舞台でもいっちばん大変だった」と話していた。外見はあくまでも外見。演じる上で大切なのは内側、という意気込みがみてとれた。

そんな塚田の座長ぶりがカンパニーをまとめたようだ。共演者からは「ついてこいというタイプのリーダーではなく、同じ目線で一緒に頑張っていこうと言ってくれる人。心から塚田さんについていきたいと感じました」「塚田さんなしではこの座組は成立してない」などと評されていた。

塚田は「…という風に言って、と裏で話してました」と照れていたが、カンパニーのきずなは強いようで、駅伝メンバーの10人とマネジャー役で「風強(かぜつよ)イレブンを結成して、歌って踊って何かやりたい」とリップサービスも飛び出した。

フォトコールでは、場面転換の時、報道陣に「ここ(一部分)だけだと分からないでしょう? めちゃくちゃいいエピソードなんですよ」と話しかけたり、「めちゃくちゃうれしいですし、楽しみです」と、出演に目を輝かせたり。確かに、一緒に頑張っていきたいと思わせるような塚田の居ずまいだった。