俳優梅沢富美男(72)が26日、テレビ朝日系「徹子の部屋」(月~金曜午後1時)にゲスト出演した。亡き兄の借金を完済したことについて初めて言及した。「この話は誰にも言うのを止めようと思って。兄貴の借金を俺が背負ったんだ、兄貴がだまされたんだって人にもしゃべりたくなかったんですけど。去年、兄貴が亡くなったんで。初めてお話しさせていただいた」と明かした。

俳優の兄、梅沢武生さんは昨年1月に82歳で亡くなった。その兄は多額の借金を抱えていたという。「兄貴がだまされましてね。役者さんばっかりやっていたから、社会的なことに詳しくないんですよ。これやんなって言われて、いいよいいよってハンコついちゃって何十億も借金しちゃって」。

東京・中野新橋に建てたビルも兄の自宅もすべて売ったが、それでも清算できず何億円も残り「兄が自己破産すればって言われたけど、兄貴にそんな思いをさせたくないんで。大丈夫です、私が引き受けようと」。梅沢が残りの借金を肩代わりすることにした。

妻の明子さんに「何とかしたいんだ」と相談すると、「やりたいって言うなら私も何とかするわよ」と言われ二人三脚で返却開始。2011年から返し始め、2020年に完済した。「9年ぐらいかかりました。あの時は女房につらい思いをいっぱいさせた。本当にありがたい」。

借金返済にあたり、相当な仕事量をこなしたという。「借金でもあるんですかって言われるぐらい、いっぱい仕事やりました。嫌なことがあればいいこともありますから。身に染みました」。自虐的に「普段はスケベなオヤジだと思ってる方もいると思いますけど」と笑顔で言うと、すかさず黒柳徹子から「いると思います」とツッコまれた。梅沢も「ちょっとは間を入れて言ってもらっていいですか」とタジタジだった。

明子さんから借金完済を告げられたときは「腰が抜けるぐらい疲れました」。兄は、梅沢が完済した後の21年に旅立った。兄には「もう何にもないんだよ。安心してね」と言うと「富美男ありがとうな」と言われたことを、感慨深げに振り返った。