人気女性アイドルグループ、乃木坂46の公式ライバルグループの結成が明らかになり、今月1日からメンバー募集がスタートしている。

同グループは、昨秋に設立された「株式会社Ligareaz Management(レガリアスマネジメント)」が、「がんばれ!ニッポンのアイドル」プロジェクトの第1弾として「乃木坂46公式ライバルオーディション」を開催。秋元康氏がプロデュースを手がけ、次世代を担うアイドルの原石を発掘し、エイベックス・エンタテインメントから今夏のメジャーデビューを目指すという。

「乃木坂46の公式ライバル」という“看板”が話題として先行しているが、新たな女性グループの誕生は、初期メンバーとして、ゼロから歴史をつくっていく「パイオニア」になれるチャンスともいえる。

05年12月に専用劇場オープンとともに結成されたAKB48は、「秋元康プロデュース」の看板だけで集ってきた、まだ何者でもなかった22人の少女たちが集まって、全ての物語が始まった。前田敦子、高橋みなみ、板野友美、小嶋陽菜、峯岸みなみ、篠田麻里子(1・5期生)らが、初日公演の有料観客数が「7人」のところからスタート。06年4月に、大島優子、秋元才加、宮澤佐江ら2期生が加入するなど、後輩メンバーとも切磋琢磨(せっさたくま)し、試行錯誤を繰り返しながら、ゼロからムーブメントを生み出し、いつしか「国民的アイドル」と呼ばれるようになった。

その時々に在籍したメンバーがグループを支えていたことも間違いないが、やはり1期生の存在は、結果から見ても大きいと言えるだろう。“最後の1期生”となった峯岸が、21年5月に卒業コンサートを行った際、これまでの卒コンでは最多となった31人の卒業生が駆けつけたのも、峯岸の人柄もあるが、それだけ1期生としてリスペクトされる存在であったことの証明でもあった。

そんな「AKB48の公式ライバルグループ」として11年8月に結成されたのが、乃木坂46だ。選抜総選挙、じゃんけん大会といった斬新な基軸で駆け上がったAKB48グループとはまた一線を画し、白石麻衣、西野七瀬、生駒里奈、生田絵梨花、齋藤飛鳥といった1期生は、清楚(せいそ)で高いルックスレベル、ファッション誌モデルも多数輩出するスタイルの良さ、品の良さを兼ね備えたイメージで、アイドルファンの心をつかんだ。

当初は48グループと比較されたことも多かったが、独自の路線を貫き、その礎を築いてきた中心は1期生。昨年末に齋藤が卒業し、今月26日には“最後の1期生”秋元真夏の卒業を控え、グループとして、また1つの転換期を迎えるが、1期生が残した功績は、今後も語り継がれるだろう。

2期生として乃木坂46に加入し、昨年7月に卒業した山崎怜奈は、今回の「乃木坂46の公式ライバルグループ結成」のニュースについて、自身がパーソナリティーを務めるTOKYO FM「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。」(月~木曜午後1時)で、こう語っていた。

山崎 やるならば、入るならば、初期メンバーの方がいいと思う。もちろん大変なこともあると思います。土台を作らなければいけない、立ち上げなきゃいけない、自分たちがどうにかしていかなきゃいけない、そういうプレッシャーもきっとあると思う。荒波もあるかもしれない。でも、大人の期待もすごくある。これから自分たちが色を付けていけるっていう、そういう楽しみもたくさんある。私は私で楽しかったけれども、入るなら、初期メンバーのほうがいい! 入りたいなと思っている皆さん、頑張ってください!

何人のグループになるのか? どんなスタイルになるのか? 今回新たに結成されるグループの全貌は、まだベールに包まれたままだ。いや、「がんばれ!ニッポンのアイドル」というコンセプト以外は、まだ誰もが分からないというのが実情で、それくらい1期生が作っていく色は強い。

募集期間は18日まで。どんなメンバーが集まり、そして新たな時代をつくっていくのか-。「選抜」「センター」といった役割、肩書とはまた違った「パイオニア」になれるチャンスをつかめるのは、今しかない。【大友陽平】