元警視庁警部補・牛島寛昭氏(65)が9日、TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食/一直線」(月~金曜午前5時)にゲスト出演した。

牛島氏は、2018年(平30)に死刑執行されたオウム真理教の松本智津夫元死刑囚=執行時(63)、教祖名麻原彰晃=に手錠をかけたことで知られる。

各地で相次いだ広域強盗事件で「ルフィ」などと名乗り犯行を指示した疑いがある4人が、フィリピンから強制送還され逮捕された事件について電話出演した。

牛島氏は「今回の組織の背景なんですけどね。会社に例えるとですね。4人組は支店長クラスだと思うんですよ。その下のハコが営業所。その下に働いている40何人捕まった“掛け子”と呼ばれているのが従業員。支店なんで、その上が本部、その上に本社があって、本社にいるやつが本当の黒幕じゃないか、そこまで“突き上げ”できるかどうか。今回、携帯10何台か没収しましたよね。その中に残っているデータで上まで行けるかどうか。疑問なんで、おそらく私は行かないと思います」と分析した。

パーソナリティーの生島ヒロシ(72)が「そうですか。なんですか、その理由は」と聞くと、牛島氏は「さまざまなパソコンを使って、いろんなところを経由してというのがあるじゃないですか。もっと言えば今回、フィリピンは日本に友好的な国だったんで引き渡してくれましたけど、日本に友好的じゃない国だったらどうでしょうか。渡してくれましたかね。それと、日本の法律の問題もあるんですけどね。例えば日本の法律では日本で犯罪を犯した犯人が外国に逃亡した場合は、捜査権が及ばないんですね。捕まえにも行けないんです。私はそういう法律を変えた方がいいなと。そういう法律がある国は、どんどん外国へ行くんですよ。そういう壁があるんで、日本もそういう法整備をする時期なんじゃないかな」と法律の整備を訴えた。

さらに「防げる、防げるといろんなテレビでやってますけども、ハッキリ言って100%防げるということはありませんからね。ただ、狙われにくいというのはマンションでしょうね。セキュリティーが高く、リスクが高過ぎるので。一般家庭だと、いくらどんな防犯をやっても狙われたら多分、無理ですね。私が今、考えているのは地域ぐるみで守るしかないと思うんですよ。戦後に“隣組”っていうのがあったじゃないですか。地域ぐるみで、近所で知らない人がいたら『あなた、何しにきたの』『どこ行くの』ってみんなで声をかけるような。そういう地域だと、彼らは必ず下見に来ていますからね、何人もの人に声をかけられると『ここ、やめよう』ってことになるはずです。ターゲットは1カ所じゃないわけですから、やりづらいところは敬遠するんです、彼らは。それと、警察とタイアップしていく。『今日、こんな変な車がいましたよ、ナンバーはこうですよ』。こんなふうにやっていくと、できるんじゃないかなと。警察だけじゃダメだし、市民だけでもダメだし、個人の問題じゃなく地域で防いでいくのが一番かなと思っています」とアドバイスをした。

防犯カメラについては「カメラだけではなく、音とか光ですよね。入ったら赤灯がクルクル回るような、音がウ~とでるような、そういうカメラと連動しているのがあれば、かなり有効ですね」と付け加えた。