米歌手マドンナ(64)が、5日に米ロサンゼルスで行われたグラミー賞授賞式での自身の容姿に対する中傷に「謝罪するつもりはない」と反論した。サム・スミスとキム・ペトラスのパフォーマンスを紹介するプレゼンターとして登壇したマドンナの姿をテレビ中継で見たファンから、「あれは誰?」「マドンナじゃない」と容姿批判が殺到。「整形しすぎだ」などの声も上がり、最優秀ポップデュオ/グループパフォーマンス賞を受賞したスミスとペトラスへの力強いメッセージよりも自身の容姿に注目が集まり、「見るに堪えない」とネットが騒然となっていた。

マドンナは授賞式で撮影した動画と共にインスタグラムに長文メッセージを投稿し、「年齢差別と女性に対する嫌悪や蔑視」と批判を一蹴した。「2人を紹介できて光栄だった」との書き出しから始まるメッセ-ジでマドンナは、スピーチの内容ではなく「報道カメラマンが望遠レンズで撮影した私のクローズアップ写真についてのみ話すことを選んだ」とネット民たちを非難。またしてもこの世界にまん延する年齢差別と女性蔑視の目にさらされたと述べ、「45歳を過ぎた女性を祝福することを拒否し、強い意志を持ち、勤勉で冒険を恐れない女性を罰する必要があると思っている世界」とつづった。

自身の容姿や服装について謝罪したことがないし、これからもしないと述べたマドンナは、歌手ビヨンセの言葉を引用し、「あなたは私の魂を壊せない」とコメント。「ひれ伏しなさい、ビッチたち」と締めくくり、バッシングをはねのけた。

ペトラスはトランスジェンダー女性として初めてグラミー賞を受賞する快挙を成し遂げ、マドンナは「すべての反逆者たちに感謝するため、私はここに来た」と祝福し、エールを送っていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)