乃木坂46最後の1期生、秋元真夏(29)が26日、グループから卒業した。横浜アリーナで卒業コンサートが開催された。親しみのある愛されキャラとして、プロ意識の高い2代目キャプテンとして、加入から11年半グループを支え続けた。アンコールで、同期の卒業生たちからのメッセージVTRが流れた後、涙しながら約10分間スピーチした。全文は以下の通り。

 

あらためまして、乃木坂46の秋元真夏です。ありがとうございます。ちょっとさっきのVTRにびっくりしていっぱい泣いちゃったんですけど、卒業生のみんな本当にありがとう。同期がいっぱい卒業していって、卒業っていうものを見送ることは、誰よりも経験してきているはずなのに、今こうして自分のファンが来ると、すごい、味わったことのない感情になるんだなっていうのを実感しています。ちょっとだけお話ししたいと思いますので、聞いてください。

私が乃木坂のオーディションを受けたのは、12年前の夏、2011年の8月だったんですけど。その当時のことを今もすごく覚えていて。自分の意思で乃木坂に応募して、どんどん審査が進んでいって、合格して、そこからはどうなるかっていうのも全然わからなかったですけど、今こうして11年間同じグループで活動してそこを旅立つ日に、自分のアイドル人生を振り返ると、高校3年生の18歳の時の私に、オーディション受けるってよくやったなって言いたくなるぐらい、本当にここに入ってよかったなと思います。

私の両親は、もうめちゃくちゃ子供好きで。子供思いの人で。私にもとてつもない量の愛を与えてくれて。いつも私を褒めてくれたり、温かく、いつ実家に帰っても迎え入れてくれたり、本当に優しい両親で。そんな2人に育てられたから、こうして今乃木坂に入ってキャプテンを3年半務めた時も、みんなにたくさん愛を与えたいと思える人になったのかなっていう風に感じています。

本当に感謝を伝えたい人とか、恩返ししたい人があまりにも多すぎて、全部はここで伝えきれないんですけど、メンバーにはさっきお伝えさせていただいたので、まずは一番近くにいてくれたマネージャーの皆さん、そして乃木坂に関わってくれたスタッフの皆さん。

乃木坂というか、アイドルのマネージャーさんとかスタッフさんは本当に多分大変で。年頃の女の子たちをいっぱい束ねるって、私もキャプテンをやって感じましたけど、みんな性格もさまざまだし、その時によって感情も揺らぐことがあったり、大変なことを乗り越えるために戦っていたり、そういうみんなのいろんな姿をサポートしてくれて、マネージャーさんとかスタッフの皆さんなしでは本当に活動できなかったなっていうのを、すごくすごく今感じます。

そして、皆さんもご存じの今野(義雄)さん。今野さんも、メンバーのことをすごい大好きって言ってくれて。私たちに会うとすごいうれしそうにしながら、ちょっと久々に会うだけなのに「俺のこと、忘れてないか?」って言ってくるぐらい、ちょっと寂しがり屋な人なんですけど(笑い)。今野さんが乃木坂のメンバーをこうして守ってきてくれたから、私たちが伸び伸び活動して、こんなにグループを大きくできたんだなっていう風にすごく思います。

そして、秋元(康)先生。秋元先生が書いてくださる歌詞を、卒業したら、多分私は歌を歌うことはなさそうなので…(笑い)。もう歌わなくなっちゃうんだなって思うと、すごく寂しいんですけど。私が3年半前にキャプテンに就任した時に、私にしては珍しく、ネガティブな発言をたくさんしてしまったり、多分、私にはキャプテン向いてないっていうのを、先生にも直接言ってしまったこととかもたくさんあったんですけど。

その時に、まだキャプテンとしての経験がない私に、「真夏にしかできないことがある」っていうお話をいっぱいしてくださって、そのおかげで、前を向いてここまで自信を持って「乃木坂46のキャプテンです」って言えるぐらいに成長することができたんじゃないかなと思います。

そして、最後にファンの皆さん。この会場にいる皆さんもそうだし、今回は、「チケットが当たらなかったよ」っていう方もたくさん聞いているので。多分、今こう配信で見てくださってる方もいっぱいいるんじゃないかなって思うんですけど。私のファンの皆さん、私を応援してて、楽しかったですか? (大歓声を浴びる)

初めはアイドルになった理由も、すごく目立ちたがり屋で、人前に立ちたいとか、いろんな人の注目を集めてみたいとか、みんなに見られたいとか…。そういう理由からアイドルを始めたんですけど、今こうしてアイドルの幕を閉じる瞬間に思うのは、皆さんが一番楽しんでくれることをできるアイドルになりたいっていうことでした。

皆さんがこれやったら喜んでくれるのかな、とか。次のイベントとかライブとかで、「どこどこの席にいるよ」とか言ったら、それを絶対見つけたいとか思っちゃうし。皆さんが喜んでくれるならもう本当にどんな無理でもできちゃうぐらい、皆さんのことが本当に大好きになりました。

4枚目シングルの「制服のマネキン」から、私は他の1期生より遅れてデビューさせてもらいましたけど、心細かった私を支えてくれたのも皆さんで。本当に私のアイドル人生は、皆さんと共にずっと歩んできたんだなっていう風にすごく今、思っています。

そしてこう1期生がたくさん卒業していって、私もアイドルとしての活動を一通り経験させてもらって。全力でダッシュするっていう気持ちが少し落ち着いてしまった時、そういう時期があったんですけど、そんな時、今一緒に活動してる後輩の姿を見たら、今から未来に向かって走り出す子たちとか、今から先頭に立ってグループを引っ張ろうとしてる子とか、もうスタートダッシュを今から切ろうとしてる後輩たちの姿を見て、もう1度全力で走るのもいいんだな、いいものだな、ってすごく感じることができました。

そんなすてきな後輩に囲まれて、今日最後の日を迎えることができて、本当に幸せです。生まれ変わっても、絶対乃木坂になりたいし、乃木坂のキャプテンを務めたいです。それぐらい大好きな場所です。

11年間、本当にありがとうございました!