今年3月に宝塚歌劇団に入団した109期生が22日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した雪組公演「Lilac(ライラック)の夢路」「ジュエル・ド・パリ!!」で初舞台を踏んだ。

幕開け前に口上にあがり、2部レビューでは同期そろってのラインダンスを披露。2部開始すぐ、昨年の108期生と同じく大階段からスタートした。

ショータイトルにちなみ、フランスで愛される「ミモザ」をイメージし、黄を基調にした衣装で、宝塚歌劇の原点「モン・パリ」にのってロケット。宝塚音楽学校にはコロナ禍で入学し、今春卒業した109期生は、花言葉の「感謝」「友情」を心に刻み、同期全員では最初で最後の“大仕事”に臨んだ。

初日前日の21日夕には、通し舞台稽古を終えた後に成績上位3人が取材対応。首席入団の娘役、音綺みあ(おとき・みあ)は「幼い頃から宝塚に住み、ずっと、あこがれを持っていた方々ばかりだったので、同じ舞台に立てるだけで、すごく舞いあがってしまうのと同時に、私も早く先輩のようになりたいと思いました」と、早くも感極まった様子で話した。

前雪組トップ望海風斗にあこがれる男役の早瀬まほろは「最初の振り付けで顔をあげた瞬間に、客席と(トップ)彩風(咲奈)さんが見えて、夢のような…本当に現実とは思えない気持ちになって、始まる前に涙がこみ上げました」と照れながら振り返った。

音楽学校でもコロナ禍での授業が進み、今回のラインダンスでも、自主稽古も重ねて初日に向かった。

娘役の美鈴桜(みすず・さくら)は「大人数でそろえる難しさを感じました。同期で試行錯誤やってきた経験は、財産だなと思います」と胸をはった。

目指すタカラジェンヌについて、音綺は「1度見たら目が離せない、さまざまな表情を持つ娘役さんに」。早瀬は「どのような年代、どのような役でも、(役に)なりきれる男役になりたい」と言い、美鈴は「表現力のある、お客さまの心を動かせる娘役さんになりたい」と目を輝かせた。

109期生の特長には「とにかく素直で明るい109期生です」と声をそろえ、「合言葉は『パワー』です!」。弾む声に初々しさをにじませた。

初舞台には、新入団40人のうち、39人が出演。夢への第1歩を踏み出した。

109期生は雪組公演宝塚千秋楽の5月28日まで出演する。