東映とティ・ジョイは12日、16日上映分から直営もしくは他社との共同経営をしている劇場において、映画鑑賞料金を改定すると発表した。

東映唯一の直営劇場となった東京・丸の内TOEIは、一般(18~59歳)は1900円から2000円、シニアは1200円から1300円、ペア50割引(2名)は2800円から3000円、毎月1日に鑑賞料金を割り引くファーストデイと水曜サービスデーも、それぞれ1200円から1300円に値上げする。

ティ・ジョイは、直営13劇場と新宿バルト9、広島バルト11、T・ジョイPRINCE品川、T・ジョイSEIBU大泉、横浜ブルク13、鹿児島ミッテ10が対象。一般、シニア、ファーストデイと水曜サービスデーは丸の内TOEIと同じで、レイトショーは1400円から1500円、KINEZO会員デーは1300円から1400円に値上げする。ただ、新宿バルト9はレイトショー料金設定はなく、T・ジョイ横浜、横浜ブルク13のレイトショー料金は1500円から変更しない。さらに12月1日の「映画の日」の料金は1000円から変更しない。

2名利用のペア50割引は200円、その他の鑑賞料金は一律100円、値上げとなった。東映とティ・ジョイは、映画鑑賞料金の改定の理由として「昨今の世界的な原材料価格やエネルギー価格、輸送費の高騰に加え、人件費を中心とした運営コスト上昇が継続している中、当社ではこれまで、運営効率化と経費削減に継続的に取り組んでまいりました。しかしながら企業努力だけでは吸収することは困難と判断し、下記の通り価格改定を実施することといたしました」と説明。「当社は今後も商品の品質、サービスの維持と向上を継続し、お客さまのご期待にお応えできるよう努めて参りますので、何とぞご理解賜りますようお願い申し上げます」と観客に理解を求めた。

大手シネコンチェーンでは、今月1日にTOHOシネマズが、6月1日から映画観賞料金を一律100円、値上げすると発表していた。一般は1900円から2000円、シニアは1200円から1300円、レイトショーは1400円から1500円に、それぞれ値上げする。

割引料金制度も、値上げの対象となる。毎月1日に鑑賞料金を割り引くファーストデイ、シネマイレージカードを持つ会員を対象に毎週火曜日に実施していたシネマイレージデイ、全観客が毎週水曜日に割引料金で鑑賞できるTOHOウエンズデイも、それぞれ1200円から1300円に値上げ。シネマイレージデイは、21年4月6日に1400円から1200円に値下げされて、2年強での値上げとなった。

TOHOシネマズは公式サイトで「弊社では、キャッシュレス決済の推進やモバイルチケットの導入等による運営の効率化を図るとともに、映画をより多くのお客さまにお届けし、お楽しみいただくため、新規出店や鑑賞環境の改善に努めて参りました。しかしながら、エネルギー価格の高騰や円安による仕入れコストの上昇、アルバイト人件費を中心とした運営コスト増や各種設備投資における負担増等により、企業努力だけではこれらの吸収は極めて困難であると判断し、鑑賞料金の改定を行うことといたしました」と値上げの理由を説明した。そして「今後もさらなる企業努力により、お客さまにご満足いただけるようサービスの向上に努めて参りますので、何とぞご理解賜りますようお願い申し上げます」と観客へ理解を求めていた。