18日に救急搬送された歌舞伎俳優市川猿之助(47)による「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」(東京・明治座)で20日、昼の部「不死鳥よ 波濤を越えて-平家物語異聞-」が市川團子(19)の代演主演により再開された。

團子は市川中車(香川照之)の長男で、祖父は3代目猿之助(現在の猿翁)。1979年(昭54)に初演された同作は、3代目猿之助が宝塚歌劇団の演出家植田紳爾氏に依頼して上演されたもの。

團子は1日だけの稽古で、大陸に渡った平家の武将を堂々と演じた。歌唱シーン、スピード感ある立ち回り、情感ある芝居を見せ、愛する人と別れるシーンでは、場内のあちこちで目頭を押さえる観客の姿が見られた。

クライマックスでは宙乗りを見せ、大きな拍手を受けた。幕が下りても10分近く拍手が鳴りやまず、スタンディングオベーションでたたえられた。

公演を見た観客は「19歳とは思えない演技でした。感激しました」「(澤瀉屋の)血を感じました」という声も聞かれた。

夜の部「御贔屓繋馬」は18日から中村隼人が代役を務めている。