音楽プロデューサー松尾潔氏(55)が7日、東京・菊川の映画館ストレンジャーで行われたドキュメンタリー映画「眩暈 VERTIGO」上映特別企画で井上春生監督(60)とトークを行った。

松尾氏は1日、シンガー・ソングライター山下達郎(70)が所属するスマイルカンパニーとの契約が終了となったこと、その理由が「私がメディアでジャニーズ事務所と藤島ジュリー景子社長に言及したのが理由」と、自身のツイッターで指摘した。そのことを受けて、トークの冒頭で同監督から「今、渦中の人です」と紹介されると「あっはっは…そんなこと、言うなんて言ってなかったじゃないですか? 監督、俗っぽいですね」と笑った。

松尾氏はトーク後、本紙の取材に「10数社から取材のご依頼をいただいたんですが、皆さんにお断りしているので…」と、柔らかく取材NGの姿勢を示した。そして、6日付の夕刊紙「日刊ゲンダイ」で連載中の「松尾潔のメロウな木曜日~特別版~」で、一連の騒動に関する自身の見解を全て示したと説明し「今、お答えするとしても、あれを、もういっぺん、朗読するような感じにになってしまう。(取材依頼してきた)皆さんに、あれを読んでください、と…」と口にした。さらに事実関係を確認すると、一瞬、眉をひそめた末に言及しなかった。

スマイルカンパニーは5日、公式サイトで、松尾氏との業務委託契約が、6月30日をもって双方の合意により終了したと発表。「尚、一部週刊誌やインターネット上で拡散されております件につきまして、今週日曜日(7/9)14時から、TOKYO FMとJFN(全国38局ネット)で放送されます山下達郎サンデー・ソングブック内にて、山下達郎本人より大切なご報告がございます。この度は、ご心配とご迷惑をおかけして申し訳ございません。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます」と、山下自らが9日放送の「山下達郎のサンデー・ソングブック」の番組内で、自らの言葉で説明することを明らかにしている。

同番組を聴取するか? と聞かれると「あのぉ…その時は、日曜日、仕事していますけど、聴けるタイミングがあれば聴いてみたいなと思っています」と聴取する意向を示した。

この日、松尾氏がトークを行ったドキュメンタリー映画「眩暈 VERTIGO」は、詩人の吉増剛造氏(84)が、19年に亡くなった盟友のリトアニアの詩人で映像作家のジョナス・メカスさんの幻影を追いかけるため、全世界がコロナ禍に陥る直前の20年1月末に渡米し、マンハッタンとブルックリンに赴いた姿を描いた。実験映画界の巨人と言われたメカスさんの1周忌に、レクイエムとも言える詩が劇的に誕生する様子が描かれていく。