黒柳徹子(90)が1981年(昭56)の自伝的代表作「窓ぎわのトットちゃん」の42年ぶりの続編「続 窓ぎわのトットちゃん」(講談社)を3日、刊行し都内で発売記念会見を開いた。「読んで驚いたのは私は何て変わらない人間なんだろう」と、90歳の今も小学1年生のころと変わっていないと笑いながら語った。

前作では、小学1年で学校を退学になり転校したトモエ学園で小林宗作校長から言われた「君は、本当は、いい子なんだよ」という言葉を、青森に向かう疎開列車で思いだして眠るところで終わった。「続-」は疎開先での出来事や1953年(昭28)にNHK専属テレビ女優第1号になったこと、結婚を考えたことなど先の人生を書いた。執筆の動機は「(昨年2月から続く)ロシアのウクライナのこと(侵攻)が一番、大きなきっかけ」と語った。

「書いているうちに、1年生の時は学校に行けば退学になるし、何かにつけ問題児だった私が変わっているかと思ったら何も変わっていないんだな」と感じたという。そして「考えたら、変わっていなくても一応、芸能界で70年ですか? 仕事ができたから、まぁ、いいかと自分を納得させた」と言い会場を笑わせた。

新たに挑戦したいことを聞かれると「インスタグラム、YouTubeもやっている。テレビは映したら映しっぱなしになっちゃうんですけども…例えば、ご飯を食べてるのをお見せすると『大食いですね』と戻ってくるのが面白い。楽しい毎日を過ごしています」と語った。少女時代と変わらぬ好奇心と、あふれる元気が笑顔から弾けた。【村上幸将】