ハリウッドの脚本家らでつくる全米脚本家組合(WGA)が、今年5月から続いたストライキを先月末に終結したことを受け2日、各局で人気の深夜トーク番組が一斉に放送を再開させた。

WGAのスト入り直後からテレビ局はトーク番組の放送を休止していた。約5カ月ぶりに番組復帰した4大トーク番組の司会者たちは、長期間に渡った番組の休止とWGAのストについて触れていたほか、休止中に逮捕されて、史上初めて大統領経験者として逮捕後のマグショットを撮影したトランプ前米大統領をネタにしたジョークも展開した。

ABCテレビの「ジミー・キンメル・ライブ!」には、俳優アーノルド・シュワルツェネッガー(76)がゲスト出演。司会のジミー・キンメルとともにオープニングに登場し、番組再開をネタにしたコントで盛り上げた。番組では、トランプ氏の体重と気候変動をネタにトークを展開。「気候変動はでっち上げ」と大統領時代に公言し、少なくとも100の環境規制や気候関連法案を廃止または弱体化させたトランプ氏に対し、シュワルツェネッガーは実際の体重より少なくとも100ポンドは重いように見えると話し、前大統領の環境対策を批判した。「もし、健康のために何をすれば良いか尋ねられたら、『自分の周りを3回走りなさい。そうすれば素晴らしい体形になるよ』と答えるだろう」と話した。

再開したトーク番組が一斉に自身をネタにしたことにトランプ氏は、自身のSNSトゥルース・ソーシャルでさっそく反応。「ストライキが終わった今、才能のない低評価で不快な深夜番組が戻ってきた。スト終結を見たくない理由があることは分かっていた。真の敗者だ!!!」とつづった。続けて、番組は視聴率が低く、まったくおもしろくないと別の投稿でも述べ、民主党の選挙キャンペーンだと批判した。

キンメルをはじめとする各局の深夜トーク番組5本の司会者たちは、スト中に共同でポットキャストシリーズを立ち上げ、収益を収入が途絶えた番組のスタッフに寄付していた。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)