「アホの坂田」で親しまれた坂田利夫さん(本名・地神利夫=じがみ・としお)が29日、老衰のため、大阪市内で亡くなった。82歳。吉本興業が30日夜に発表し、一夜明けた31日、「アホ」の先輩役者、大村崑(92)は「寂しい」としのんだ。通夜、葬儀告別式は近く近親者のみ行う。

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「アホ」の先輩、俳優大村崑(92)は、日刊スポーツの電話取材に応じ、「寂しいなあ。喜劇役者がまたひとり旅だって…」と言葉を詰まらせた。

大村の代表作のひとつに、MBSテレビ「番頭はんと丁稚どん」(1959年)がある。薬問屋を舞台に丁稚や番頭が騒動を巻き起こす爆笑コメディーで、丁稚の崑松を演じたのが大村崑(共演に茶川一郎、芦屋小雁、芦屋雁之助ら)。テレビ創生期のなかで大ブームを呼んだ伝説的番組だ。

この後継となったのが「あっちこっち丁稚」(75年、ABCテレビ)であり、坂田さんは丁稚の利松を演じた(共演に間寛平、木村進、山田スミ子ら)。いわば大村と坂田さんは、大阪発の新旧“アホ役”スターでもあった。

「直接舞台などで共演したことはないんですが、僕のことを『喜劇の王様』だと褒めてくれてました。『アホの坂田』というキャラクターはインパクトがありました。アホを演じるのは難しいんですけどね」

若い頃の大村は、吉本に一時籍を置いていたが、それは坂田さんが吉本入りするより前。それでも「僕の後輩たちがお世話になっています。周囲への面倒見の良さも聞きました」と、後輩思いだった坂田さんに感謝の言葉を述べた。

「なによりもどんどん喜劇役者の仲間が減っていくのは寂しい限りです。僕は92歳ですが、彼にももう少し元気でいてほしかったなあ。涙で送り出すしかありません」と悲しみをこらえていた。【三宅敏】