沖縄シンガーの元祖として「川は流れる」の代表曲で知られる歌手の仲宗根美樹(なかそね・みき)さん(本名・國場勝子=くにば・かつこ)が24日午後0時5分、肺がんのため死去した。79歳。日本歌手協会が29日、発表した。

27日に東京・代々幡斎場で通夜、28日に告別式を家族葬として執り行った。喪主は長女の國場亜紀さん。法名は「澤勝智信女」で、「お別れの会」などは現在検討している。

1944年(昭19)6月23日、東京生まれ。61年に日本テレビ「東京物語」に出演し番組挿入歌「愛に生きる」で歌手デビューした。2枚目のシングル「川は流れる」は100万枚を超える大ヒットとなり、「第3回日本レコード大賞」新人奨励賞を受賞。同曲で翌年のNHK紅白歌合戦に初出場した。紅白には67年の「恋しくて」まで計5回出場した。

両親が沖縄出身で、島唄、沖縄ソングを次々とヒットさせ、沖縄シンガーの元祖として地位を確立。71年、結婚のため芸能界を引退。実業家、自らが経営する銀座のクラブのママとしても有名になり、98年にテレビ東京系「年忘れにっぽんの歌」で25年ぶりに歌手復帰した。17年にテレビ朝日系「徹子の部屋」などにも出演したが、その後は病気がちでステージ、テレビ出演から遠ざかっていた。

22年9月に東京・品川区の自宅マンションが火災にあったのを機に長女と生活を開始。その頃から肺気腫に罹患(りかん)し在宅療養をしていた。2月20日に肺疾患発作により病院に緊急搬送されたが、24日に帰らぬ人となった。