タレント中山秀征(56)が22日、著書「いばらない生き方 テレビタレントの仕事術」(新潮社)を出版、都内で3月いっぱいで放送作家を引退した鈴木おさむ氏(52)とトークイベントを行った。

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鈴木氏は「常に中山秀征としての生き方をしている。志村(けん)さんの多大な影響があるんですか」。中山は「元々、志村さんのことが大好き。ゲストで番組に出ない志村さんが『DAISUKI!』に出たいと言ってくれた。日本酒の回が面白いと言ってくれた。師匠に言われて今でも大事にしているのは『秀な、いつまでもバカでいろよ』ということ。我々の世界は偉くなって勘違いしておかしくなる。俺たちは、しょせんたいしたことないんだということを忘れるなと」と振り返った。

そして「志村さんは流行りものが好きで『次は少女時代』だとか言っていた。映画は愚作でも、必ず見ている。勉強しているとは絶対言わないけど、夜中に三味線の稽古をしている。夜中に(上島)竜ちゃんとコントを始めちゃう。いつでも、24時間、志村けんだった」と話した。

中山は芸能界の先輩たちを思い出して「多くの方の言葉で救われた。上岡龍太郎さんには『秀、辛い時は登っている時なんだ。“俺はすごいな”と思っている時は下っている時だ。それを思ってやりなさい』と言われた。それで、苦しい時がうれしくなった。上岡師匠のお話です」鈴木氏は「A級の上のS級を見た人なんですよ」。

中山は「レギュラーが14本あった時は、いろいろなことを言われた。でも(桂)文枝師匠からは『秀、おれは28本やってた。まだ大丈夫、半分やで。帯(番組)を3本やっていたからね』と言ってもらいました」。

テレビ各局の競争を振り返って「生キャラメルをどっちが先に出すかで、TBSとフジが戦っていた。僕らがやっていたことは歴史になっている。なかったものをどう作るかだった。今は、あるものをブラッシュアップしている。今は熱くなることがかっこ悪い時代。でも、そんなものに熱くなれるのが、テレビだと思う」。鈴木氏は「80年代、90年代は、テレビが新しいものをたくさん作った。今は、それをブラッシュアップしている。被らないようにする努力が、1個1個重なってできた。(中山の著書は)平成の芸能史として非常に貴重な本」と話した。

中山は「90年代の1つの完成形を書きたかった。良くも悪くも、無駄も含めての楽しさ。『THE夜もヒッパレ』の映らないところにバーカウンターがあった。今だったら、最初に削られるところ。すごい無駄が大事。映らないところがつまらないと、演者はのらない。(フジテレビ『笑っていいとも』をやっていた)スタジオアルタは椅子が狭くて、背もたれがないから良かった。お客は前のめりで見る。今、テレビ論が問われている。テレビの行く末を、よく聞かれる。僕はテレビに出ている人、作っている人がテレビを諦めるのはやめてほしい。イニシアチブを取っている人は『テレビはできるぞ』と言ってほしい」。

鈴木氏は「テレビは最大認知がすごい。でも今は、1000万人に知られるより、1万人の熱狂的な方が商売になる。このテレビを、もっと本気で遊ぶ方法はきっとある。スマホ、ネットをライバルじゃない、テレビなんだから、みんなでふざければいいじゃない。企画が通る時は、考える人とはんこを押す人が必要。トライアンドエラー、チャレンジを繰り返す必要がある」。

中山は「昔は前例がないものが喜ばれた。今は前例が必要。だけど、前例は必ずある。テレビにエンターテインメント性が失われている。テレビはこれから、手法ががかなり必要になってくる」。鈴木氏は「抜本的な作り方を変えるとアップデートができる。投げ銭で、翌週のセットが豪華になるとかね。この芸能界、ダウンタウン、ウッチャンナンチャンになりたいと思っても、なれなかった人がいる。その中で、どう努力していくのか。過酷な状況の中でも自分らしく、ぶれずに努力していくと、50代、60代と生きていける」と話した。

中山は「やりたかったことが、できなかったから今がある。歌がやりたかったけど、いまいちで芝居に行った。それからお笑いをやった。遠回りでも目指して行くと、頂上に近づいている。頂上の景色は、この世界を目指した以上は見たいと思わないと。僕は、まだ夢の途中。まだまだ、テレビの力を諦めていない。今、おさむさんと会えて良かった」と締めくくった。

(終わり)

◆中山秀征(なかやま・ひでゆき)1967年(昭42)7月31日、群馬県藤岡市生まれ。82年日本テレビ「校内暴力殺人事件 狙われた女教師」で俳優デビュー。85年日本テレビ系連続ドラマ「ハーフポテトな俺たち」主演。同年お笑いコンビ、ABブラザーズを結成して、フジテレビのお昼のバラエティー「いただきます」でアイドル的人気を得る。コンビ解散後の90年代、ドラマやバラエティー、情報番組など14本のレギュラー番組を持つ。現在は日本テレビ系「シューイチ」(日曜午前7時30分)などに出演。

◆鈴木(すずき)おさむ 1972年(昭47)4月25日、千葉県千倉町(現南房総市)生まれ。19歳で放送作家デビュー。フジテレビ「SMAP×SMAP」「笑っていいとも」「さんタク」「チョナン・カン」「おじゃMAP!!」「もしもツアーズ」、TBS「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」「Goro's Bar」「いきなり!黄金伝説」、日テレ「¥マネーの虎」「有吉反省会」、テレビ朝日「Qさま!!」「帰れマンデー・見っけ隊!!」「中居正広の身になる図書館」「爆笑問題の検索ちゃん」などを手がける。02年(平14)に森三中の大島美幸(44)と結婚。今年3月いっぱいで放送作家を引退。