「ルパン三世」の峰不二子役や「キューティーハニー」の如月(きさらぎ)ハニー役で活躍した声優の増山江威子(ますやま・えいこ)さんが5月20日、肺炎のため東京都の病院で死去した。88歳。3日、所属事務所青二プロダクションが発表した。通夜、告別式は近親者で執り行われた。

関係者によると、声優としての仕事は昨年10月23日、日本テレビ系で放送されたアニメ「それいけ! アンパンマン」であきかぜさんを演じたのが最後になった。その後、体調を崩し、療養、闘病を続けていたという。体調を崩す前も「私が表に出ることで(演じる)キャラクターを傷つけるのよ」と、公の場は極力避けた。イベント等で数年に1回、姿を見せると、背筋の伸びた美しい姿に、より表に出て活動することを進める声もあった。それでも声優業にこだわり、あくまでキャラクターに声を吹き込むことに最後までプライドを持った。21年の「第15回声優アワード」では功労賞を贈られ、授賞式には「生涯現役で頑張って参ります」と文書を寄せていた。

昨年6月には同い年で10代のころに一緒に劇団を立ち上げた俳優毒蝮三太夫のYouTubeチャンネルに出演したり、同10月には落語家春風亭一之輔のラジオ番組にゲスト出演し元気な声を聞かせていた。一之輔の番組では「いろんな役をやるので、絵がないと声が混ざっちゃうの。2000ぐらい(役を)やってます」と、照れたように明かしていた。

毒蝮は訃報が発表された3日、公式サイトで、増山さんをトンチの愛称で呼び、YouTubeで共演した時のことを「オレらしかわからない当時のいろんな古い話ができてうれしかったんだけどなぁ。トンチとのエピソードとなったら話は尽きないよ」と悼んだ。

増山さんは二階堂有希子の後を継ぎ、77~10年まで35年近く、「ルパン三世」の峰不二子を演じた。PART1では選ばれなかったが「どうしても不二子がやりたかった。キャラクターがとてもすてきだった」とPART2のオーディションを受けたという。19年に原作者のモンキー・パンチさんが亡くなった時に「役者は作品との出会いがすべて。私の財産となった峰不二子に出会えた」とコメントしている。

増山さんの訃報に「ルパン三世」公式X(旧ツイッター)は長年の活躍への感謝を投稿した。95年に山田康雄さんからルパン三世を引き継いだ栗田貫一も「いつもエレガントであこがれの不二子ちゃんでした」と記し、温かく迎えてくれたことを感謝した。不二子役を11年から引き継ぎ、所属事務所の後輩でもある沢城みゆきも「なんか許せちゃう永遠のマドンナ、増山さんの不二子ちゃんの大ファンです」と悼んだ。