24年度後期NHK連続テレビ小説「おむすび」が11日、クランクアップを迎えた。13日、大阪放送局でアナウンスされた。
女優橋本環奈演じる平成生まれのヒロイン米田結が、栄養士として人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフィティ”。放送は3月28日まで続くが、視聴率は伸び悩んでいるという。NHKが言うように「さまざまなご意見」があるだろうし、作品への感想はあちこちで論評されているので触れる気はない。
朝ドラの制作統括は、数年前から題材探しを始めるという。ヒロインが発表されたとき、オーディションによる選考ではなく、ドラマ、映画に引っ張りだこの売れっ子女優である橋本を一本釣りでキャスティングしたことに制作するNHK大阪放送局の期待値の高さを感じた。
主題歌にはB'zを起用。橋本がギャルを演じると話題作りにも余念がなかったし、ロケ地で取材会を開いたり、放送開始直前には前作「虎に翼」のヒロイン伊藤沙莉からバトンタッチセレモニーが行われ、橋本自ら取材会に登場して報道各社の取材に応じるなどアピールを繰り広げた。
ただ、放送が始まってしまうと撮影も多忙を極めることから、そうした機会は少なくなる。
大阪放送局制作の朝ドラを取材して10年近くになる。放送前の番宣が強い傾向は変わらないが、コロナ前と後で変わったことがある。クランクアップがリリース1枚で済まされる形になったことだ。
18年後期「まんぷく」の安藤サクラまでは、クランクアップセレモニーが報道陣にも公開され、撮影の苦労などを聞かせてくれた。16年後期「べっぴんさん」のクランクアップにはヒロインの芳根京子だけでなく母親役の菅野美穂も同席して、会見を盛り上げた。
しかし、20年は新型コロナウイルスの影響で19年後期「スカーレット」のセレモニーは中止に。以降はリリースで済ませる形になっている。
同様にコロナ禍を期に行われなくなっているのが、大阪・寝屋川市の成田山不動尊(成田山大阪別院明王院)の節分祭豆まきへのヒロインの参加だ。
コロナが猛威を振るい始める前に行われた20年の節分祭まではヒロインが参加していたが、21、22年はイベントそのものが中止に。3年ぶりに復活した23年こそ22年後期「舞いあがれ」のヒロイン福原遥が参加したものの、24、25年はキャストが参加したもののヒロインは参加していない。キャストのスケジュールの問題もあるだろうし、働き方改革が進む中で、イベントに参加するのもなかなか難しいのかもしれないが、一般のファンにとってもヒロインと触れあえる貴重な機会。現場では「橋本環奈はおらんの?」という声も聞かれただけに、ファンのためにも参加してもらえないものかと思う。
取材する立場としても、紙切れ1枚や本人不在ではヒロインやドラマの温度感を伝えていくのはなかなか難しい。すでに今秋スタートの大阪局制作「ばけばけ」のヒロインは高石あかりが務めると発表されているが、取材する機会が増えることを願っている。【阪口孝志】



