歌手五木ひろし(77)が体調を崩し、11日に検査入院をしました。
デビュー60周年を迎えている大ベテランですが、周囲の人が「病気で仕事を休むのは初めてじゃないか」と口をそろえるほど珍しいことです。
美川憲一(79)がかつて言っていました。「売れるまでにすごく苦労をした人やデビューしてからも売れない時期が長くて苦労をした人。そういう苦労人は決して『休みたい』とは思わないのよ。あたし? もちろん休まないわよっ」。
五木は1964年(昭39)にプロ歌手となり、65年に「松山まさる」の芸名で「新宿駅から」でデビュー。でもヒット曲に恵まれずに一条英一、三谷謙と名前を変えます。3度目の改名が「五木ひろし」で、71年3月の再デビュー作が「よこはま・たそがれ」でした。これがミリオンヒットとなり、夢にまで見たトップ歌手の仲間入りを果たします。かつて「レコードデビューをしてもヒット曲が出ない。名前もレコード会社も歌い方までも変えた。そして生活費に困ってギターの弾き語りを始めました。そんな時に出あったのが『よこはま・たそがれ』なんです」としみじみと語っています。
どん底の時代でも歌うことを決してあきらめず、そして休むことなく歌い続けて60年。「母も朝から晩まで働いた人で、その背中を見て育ちました。僕が売れない時でも頑張れたのはおふくろのおかげ」と明かしたこともあります。
今回、医師の診断は「慢性閉塞(へいそく)性肺疾患」と「気管支炎」でした。日本呼吸器学会のサイトによれば、慢性閉塞性肺疾患とは「タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病といえます」とあります。五木は筋金入りの愛煙家です。
紅白歌合戦出場が50回。CD売り上げが1680万枚超で、これまでにコンサートと劇場公演でのべ2000万人超を動員。文字どおり“ビッグスター”の五木です。7月5日の取材では「目の前に80歳がある。孫が僕のことを分かるまであと4、5年は頑張りたい」と意気込みを語っていましたが、入院をしたのはその6日後でした。
12日の公演から休んでいた東京・明治座の座長公演「デビュー60周年記念 五木ひろし特別公演」は20日に復帰予定でしたが、医師から「引き続き静養が必要」と判断をされ、24日まで休むことを発表しています。少しずつ快方に向かっていますが、ファンの前に立つレベルまで回復しているかがカギのようです。
病院では禁煙をしていたはず。今回の病欠をうけて、大好きなタバコと今後どう向きあうのか。早い復帰を願いつつ、そこにも注目をしています。【松本久】



