ご当地ソングの女王・水森かおり(52)のデビュー30周年記念曲「大阪恋しずく」(作詞・かず翼、作曲・弦哲也、編曲・伊戸のりお)が、カラオケランキングで異例とも言える動きを見せている。
3月18日発売の「大阪恋しずく」は、大阪を舞台に運命の人と出会う、水森にとっては初の幸せ演歌。明るく軽快なメロディーで、幸せをつかんだ女心を歌い上げる。
カラオケの最大手、第一興商DAMの演歌・歌謡月間ランキングで、4月に15位に初登場。その後、5月14位→6月10位→7月12位→8月13位と、4月から継続してベスト20以内をキープしている。
同ランキングは新曲から旧譜まで、その月に全国のカラオケで歌われた演歌・歌謡曲を集計して、ランキング化している。何が異例かというと「大阪恋しずく」だけが新曲で、他はすべて過去の名曲なのである。
最新の8月のベスト20を見てみよう。
<1>津軽海峡・冬景色(石川さゆり)<2>時の流れに身をまかせ(テレサ・テン)<3>天城越え(石川さゆり)<4>川の流れのように(美空ひばり)<5>つぐない(テレサ・テン)<6>酒よ(吉幾三)<7>ラヴ・イズ・オーヴァー(欧陽菲菲)<8>青い山脈(藤山一郎・奈良光枝)<9>さざんかの宿(大川栄策)<10>愛燦燦(美空ひばり)<11>北の旅人(石原裕次郎)<12>北国の春(千昌夫)<13>大阪恋しずく(水森かおり)<14>高校三年生(舟木一夫)<15>高原列車は行く(岡本敦郎)<16>憧れのハワイ航路(岡晴夫)<17>みだれ髪(美空ひばり)<18>ブルー・ライト・ヨコハマ(いしだあゆみ)<19>兄弟船(鳥羽一郎)<20>星影のワルツ(千昌夫)
DAMだけでない。大手エクシングのJOYSOUND演歌カラオケランキングでも、4月13位→5月11位→6月11位→7月11位→8月13位に入っている。「大阪恋しずく」以外はDAM同様、過去の名曲がずらりと並んでいる。
音楽関係者は「演歌・歌謡曲系のカラオケランキングで、新曲が数々の名曲に交じって継続的に上位にランクインするのは、本当に異例です」と驚く。
その理由の1つが、「大阪恋しずく」の公式ミュージックビデオ(MV)の再生回数にある。MVには通天閣や大阪城、道頓堀が登場。胸の前で指でハートマークを作る振り付けなども、しっかり覚えられる。9月末に197万回を突破、200万回再生に迫っている。アイドルやポップス系ならいざ知らず、演歌では異例の再生回数だ。
水森は「見て覚えて、歌いたいって思ってくださる方が、それだけ多いんだなと思って、すごく感激しています」と話している。
9月25日に、東京・渋谷のLINE CUBE SHIBUYAで「30周年記念メモリアルコンサート~歌謡紀行~」をスタートさせた。30年の足跡が分かるように、オープニング直後にシングル曲を発売順に32曲連続で、それぞれのMVの映像をバックに熱唱した。ワンコーラス(歌詞の1番だけ)とはいえ、圧巻の連続歌唱だった。
水森は「企画シングルは除いていますが、30年の私を映像とともに見て聴いていただければ」と、MVを映し出した連続歌唱の意味を説明した。
「大阪恋しずく」のカラオケランキングの動きは、音と映像の相乗効果が生んだ結果と言えそうだ。【笹森文彦】



