市原隼人(38)主演作で初のシリーズ化作品となった「おいしい給食」の勢いが止まらない。2019年(令元)10月期に、tvkをはじめ地方の独立系UHF局で第1期が放送された連続ドラマに端を発し、21年10月期、23年10月期と連続ドラマ3期が放送。連ドラの放送終了に続く形で20年3月、22年5月、24年5月と映画が3本、公開されてきた。そして今回、初の映画単独作として第4弾「おいしい給食 炎の修学旅行」(綾部真弥監督)が24日、公開となる。

3日に東京・新宿ピカデリーで、同劇場最大の560席あるスクリーン1で、完成披露舞台あいさつが行われた。メディアを入れて1回、入れないで1回、計2回行われた完成披露試写会のチケットは即完売。映画第3弾「-Road to イカメシ」公開前に同所で行われた完成披露試写会に続き、2回分、即完売を達成。席上では、全国で80回の舞台あいさつが予定されていることが明らかになった。

さらに、2日後の5日には「おいしい給食」シリーズの製作に名を連ね、ドラマシリーズも放送してきたチバテレ、テレ玉、ぐんテレ、とちテレ、tvkの関東独立放送局で構成する「5いっしょ3ちゃんねる」で、午後7時から「-Road to イカメシ」を5局同時ネットで地上波初放送した。昨今、民放キー局での映画の放送が激減し、テレビで映画を放送するのはNHKをはじめBSが中心だが、地方の独立系UHF局とはいえ5局ネットで映画を放送するのは、非常にチャレンジングな企画だった。

「おいしい給食」は、1980年代の、ある中学校を舞台に、市原演じる頭の中に給食のことしかない給食絶対主義者の教師・甘利田幸男と給食好きの生徒が、日々の給食をいかにおいしく食べるかに腐心し、手を加えるなどするバトルを5年超にわたって描き続けてきた。「-炎の修学旅行」は、23年10月期に放送された「season3」と24年の映画「-Road to イカメシ」に続き、函館市の忍川(おしかわ)中が舞台で、時代は90年を描いた。田澤泰粋(17)演じる甘利田のライバルの中学3年生・粒来ケンらは、青森と岩手に修学旅行の旅に出る、学校を飛び出したシリーズ初のロードムービーとなった。

修学旅行先のドライブインで、たまたま遭遇した岩手・花堺中学校に、84年を描いたseason1で甘利田が赴任した常節(とこぶし)中の新人教師だった御園ひとみが赴任しており、2人の再会が1つの見どころとなる。ひとみを演じる武田玲奈(28)は、5年ぶりの復帰となった。完成披露試写会に先立つ7月21日に都内で開かれた、シリーズ開始5周年で初のファンミーティング「全校集会」では、シリーズ初の挑戦として「-炎の修学旅行」で描いた修学旅行の前を描いたライブアクト「-ロスト・オブ・アゲパン」を上演している。

なぜ、ここまで拡大したのか。それは、ひとえに市原の熱い思い…それに尽きるだろう。市原は「気持ちですね。(舞台あいさつは)前回は59回。呼んでいただければ、時間が許す限り伺おうと。作り手の我々にとっても夢。ビジネスも、やらなければ作品はできない。泥水に手を突っ込み、つかみ挙げた夢が『おいしい給食』」と力を込めた。そして「どこまでも、お客さま本位でないといけない。お客さまだけの作品でなければいけない。何回でも舞台あいさつをし、感謝の気持ちを伝えたい!」と熱く訴えた。

忍川中PTAの幹部を務める水産加工会社経営者・白根澤仁を演じた六平直政(71)は「市原さんをはじめ、みんな芝居がうまい。こんなにうまいはず、ないんだけど…シリアスな芝居もうまい。いつもやっていて、うまいと思う」と、現場の熱気が、役者の芝居を高めていることを示唆。「日本で一番、うまい役者が集まったんじゃない? とにかく現場を見ていても飽きない」と、ジョークを交えつつ絶賛した。

市原の熱気がスタッフ、キャストを動かし、熱い作品を生み出し、集まった観客を熱狂させる。坂爪勲校長役の小堺一機(69)も「座長が熱すぎる。いつも、甘利田先生(市原)の顔を見ていると、セリフの字が感情になる。甘利田先生の顔がそうさせる。人生の先生に会った気持ち」と口にする。

「おいしい給食 炎の修学旅行」そしてシリーズは、どこまで快進撃を続けていくのか…追いかけていきたい。【村上幸将】

◆「おいしい給食」season1 甘利田が1984年(昭59)に赴任した常節(とこぶし)中1年1組で、佐藤大志(19)が演じた神野ゴウと毎日の給食を、どうおいしく“うまそげ”に食べるかで、しのぎを削った。20年3月公開の初の映画「劇場版 おいしい給食 Final Battle」では、給食撤廃を進める教育委員会のストップに動いた甘利田が、給食のある中学校への移動処分を受けた。

◆「おいしい給食」season2 21年10月期に放送された、2年ぶりの続編「season2」では、甘利田が黍名子(きびなご)中に異動した2年後に、ゴウも転校したことで、3年1組を舞台に2人の給食バトルが再燃。22年5月公開の2本目の映画「劇場版 おいしい給食 卒業」では、教育委員会が乗り出したメニュー改革に不穏なものを感じた甘利田が、給食を守るために立ち上がった結果、北海道函館市の中学校に広域転勤となり、ゴウも卒業した。

◆「おいしい給食」 season3 23年10月期に放送された「season3」は、甘利田が赴任した函館市の忍川(おしかわ)中1年1組が舞台。席替えでストーブの前に座ったことを機に、給食に執念を燃やし始めたケンと、甘利田が給食をおいしく食べる、その一点に知恵を絞るバトルを展開。24年5月公開の3本目の映画「おいしい給食 Road to イカメシ」では、描かれる時代は1989年(平元)と平成の時代に突入。町長選を前に給食完食のモデル校に選定され、揺れる忍川中と、そこに敢然と立ち向かう甘利田を描いた。