3ピースロックバンド羊文学が10日、自身初となる東京・日本武道館で、アジアツアー「Hitsujibungaku Asia Tour 2025 “いま、ここ(Right now, right here.)”」最終日公演を開催した。同所では2日間で計2万人を動員。武道館から世界に向けて、勢いを加速させていく。

8日に発売した約2年ぶりの新アルバム収録曲「そのとき」で幕開け。ボーカル・ギター塩塚モエカの透明感のある歌声と力強いサウンド、幻想的な照明が武道館を包んだ。ベース・コーラスの河西ゆりかとともに、手を振りながら「みんな今日は来てくれてありがとう~。(観客の持つ)ライトきれいだよ」と笑顔で伝えた。

羊文学は20年にメジャーデビュー。ドラムのフクダヒロアは昨年5月から活動を休養しており、現在はサポートメンバーを迎えている。バンド史上最大規模となった今回のツアーは、9月から国内外8都市9公演で計4・5万人を動員。自身初の武道館単独公演は両日ともチケットが即完売した。

今年は日本最大規模の国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」で、最優秀国内オルタナティブアーティスト賞と最優秀国内オルタナティブ楽曲賞の2冠を達成。4月には初のUSツアーを行い、今月15日からはヨーロッパツアーが始まるなど世界を舞台に活躍を続けている。

同公演中に約1時間計11曲のみ行われたYouTube生配信では、同時接続数1万人を記録。フジ月9ドラマ「119エマージェンシーコール」の主題歌「声」や、アニメ「【推しの子】第2期」エンディング主題歌「Burning」などを披露した。

終盤の「GO!!!」で塩塚は「皆さん分かりますよね?」とにやり。曲中では会場一体となって腕を掲げ「go!」と叫んだ。アンコールのMCではツアーを振り返り「その場所場所にいられる自分のことを、なんか居ていいって思えるようになれたらいいなって」と静かに語った。

「相変わらずなんか自分が居ていいのか、わかんないまま20数年間でしたけど」としつつ、客席を見渡し「みんなにこんなに来てもらえて、家で作っていた音楽を聞いてくれて。本当にありがとう」と感慨深げ。最新アルバムについても「振り返ってみるとすっごい良いアルバムができた」と胸を張った。

河西も「バンドって音楽じゃないものがめっちゃ多くて。人間関係、社会、生き物なんですよ。バンドって。いろんなことがあるんだけど、負の感情みたいなものも音楽に出る感じがバンドだなって」。塩塚は改めて会場を見渡し「本当にみんながきれいです。ありがとう」と優しくほほ笑んだ。【玉利朱音】