北村匠海(27)が13日、都内で行われた主演映画「愚か者の身分」(永田琴監督、24日公開)公開直前イベントで、Z世代と語り合った。トークの中で「生きる=お金ではない」「お金って、いいものでもないもの」と語った。さらに「昨今、芸能界でも、いろいろ事件が多い中で一歩、間違えると、人は違う道に行ってしまう。そこは全員が綱渡りしているような状態」とも語った。

「愚か者の身分」は、作家・西尾潤氏のデビュー作の実写化作品。北村は、SNSで女性を装い身寄りのない男たちを利用して“戸籍売買”で稼ぐタクヤ、“闇ビジネス”に誘い戸籍売買の仕事を教えた兄貴的存在の裏社会の運び屋・梶谷を綾野剛(43)、複雑な家庭環境で家族の愛を知らずに育ち、タクヤと共に闇ビジネスに手を染めたマモルを林裕太(24)が演じた。9月に韓国で開催された、第30回釜山映画祭で、今年から新設されたコンペティション部門で、3人そろって最優秀俳優賞を受賞した。

トークの中で、永田琴監督(54)がZ世代の観客に「闇バイトに関わりかけた人は?」と質問すると、若干、リアクションがあった。そのことを踏まえ、北村は「お金の価値って、何なんだろう。僕は8歳から仕事をして、お金をもらい、家族が管理していたんだけど…その価値って何なんだろうと、タクヤを演じても感じていました。タクヤにとっては希望。(お金は)人によって角度が違う」とお金について持論を展開した。

さらに「これだけお金をいただいて、自分の生活が整ってくると父、母が兄弟に与えてくれた収入って…今の僕より少ないんですけど、幸せだった。恵まれていて、ご飯もおいしかったし、習い事もさせてもらった。高校も私立に行かせてもらった」と、両親の収入を踏まえて、自身の現状を明かした。その上で「お金を得ている理由はないのかも知れない…生きる=お金ではないんだけど、すがるしかない人もいる。否定も肯定もしないけれど…お金って、いいものでもないもの、とも思ったりもしています」と口にした。

そして「小遣い稼ぎに(闇バイトに)手をかけようとする人が、チラホラいるのを見ると、生きることと直結するけど、それが全てではなくて、幸せ、おいしさ、人との繋がりの、ありがとうがこの映画に詰まっている」と強調。劇中に出てくる、アジの煮付けのシーンを振り返り「アジの煮付けが、おいしかった。練習をして、見ないで裁いている。自分でもすごいなと思う。ああいう、小さな、小さな幸せを感じていただけたら」と客席に呼びかけた。

「愚か者の身分」は、Netflixドラマ「今際の国のアリス」シリーズや「幽☆遊☆白書」を手がけるプロデューサー集団「THE SEVEN」が、初の劇場作品として映画化。“3日間”の出来事を、3人それぞれの視点が交差するトリック感のある展開でエンターテインメントに仕上げながら、若者たちの貧困、世界に侵食される日本、闇ビジネスの深淵(しんえん)など社会的なテーマも織り込まれている。