吉永小百合(80)の124本目の映画となる主演作「てっぺんの向こうにあなたがいる」(阪本順治監督)が30日、初日を迎え、東京・TOHOシネマズ新宿で舞台あいさつが行われた。
あいにくの雨の中での初日となり、吉永は「このお天気の中、大変な思いをして来ていただいたことと思います。うれしく思っております」と観客に感謝。「昔は、初日の舞台あいさつはなかった。ここのところ、出演させていただき毎回、次の日を思いドキドキします。昨日は、特に明日は難しい天気になるだろうとの予想があって、胃がシクシク痛む思いでした」と口にした。
「てっぺんの向こうにあなたがいる」は、女性として初めて世界最高峰のエベレスト登頂に成功した登山家・田部井淳子さんの15年の著書「人生、山あり“時々”谷あり」(潮出版社)が原案。吉永が田部井さんを元にした多部純子、佐藤浩市(64)が田部井さんの夫政伸さんをモデルにした、純子に献身的に寄り添う夫・多部正明、吉永が演じた純子の青年期をのん(32)、正明の青年期を工藤阿須加(34)が演じた。
佐藤は、前日30日のプロ野球日本シリーズでソフトバンクが阪神に勝って日本一になったことを踏まえ、同じ日に出演作「盤上の向日葵」(熊澤尚人監督)が初日を迎えた、阪神ファンの渡辺謙(66)の名を挙げた。「渡辺謙さんには大変、申し訳ないですけど(日本シリーズが終わり)皆さん、後ろ髪引かれることなく劇場に来られるかと…すみません」と言い、笑った。
トークの中で、司会から俳優陣に「あなたにとって、てっぺんの向こうは?」と質問が出た。佐藤はフリップに「てっぺんの向こうにてっぺん」と書いた。「僕も、吉永さんのような、じゃないですけど、100本以上の映画をやっていまして、45年この世界でやっている。そこそこ、登ったかと思うと、幾ら歩めども頂には行けないのがこの世界」と答えた。
初めて吉永と夫婦を演じた思いを聞かれると「出させて頂いて良かった。本当、まさか、まさかこんな日が来るとは…ご一緒することはあるにしても、まさか夫婦役をやらせていただくなんてことが、あるとは思っておりませんから」と恐縮した。吉永から「大分、私がずいぶん年上なんで」とツッコまれると「いやいや、とんでもない! いやいや、見ていただければ分かると思いますけど、全く、そんなふうに感じさせることはございません!!」と慌てた。
そして「そんな日が来るなんてことは、亡き三國も思ってもみなかっただろうし。本当に自分にとっては驚き」と、父の三國連太郎さんの名を挙げた。三國さんと吉永は、94年の映画「女ざかり」(大林宣彦監督)などで共演している。佐藤は、司会から「三國さんに報告したら何というと思いますか?」と聞かれると「あぁ、そう…」と、三國さんのマネをして会場を笑わせた。
この日は、田部井さんの友人の元読売新聞記者・北村節子さんがモデルの親友・北山悦子を演じた天海祐希(58)、純子の長女教恵を演じた木村文乃(38)、長男真太郎を演じた若葉竜也(36)、悦子の青年期を演じた茅島みずき(21)も登壇した。



