演歌歌手北山たけし(51)が18日、都内で取材に応じ、23年4月に北島音楽事務所から独立をしてからの活動を振り返った。
「独立した当初は不安だらけで、本当にやっていけるのかなと思っていました。でもレコード会社の人もファンの皆さんも変わらず支えてくれて、そういう意味では順調にきています。それまでは、師匠(北島三郎)の大きな船に乗って雨風をしのぎ、荒波からも守ってもらいました。それがなくなったので厳しさはありますが、自分でかじを取れるという意味では、責任も伴いますが自由でもあり、楽しみでもあります。幅が広がっていると思います」。
今年9月に発売をした「紫陽花のひと」は静かなブームとなっているムード歌謡曲だ。「じっくりと歌っていきたい。少しずつ皆さんの心に浸透していけばいいかなと思っています。じっくり全国を回りながら、1人1人にこの曲の世界観を広げていきたい」。
北山はパンチの強い男唄を歌うイメージが強いが「年齢とともに声質も変わります。いろいろな曲を歌っていきたいと思っています」と話した。今年、当初は北島の作曲した作品を歌いたいと思っていたが「師匠はすごく人気があって『今は忙しいからダメなんだ』と言われたので、従来とイメージの異なるムード歌謡にしたんです」と説明した。
カップリング曲「面影酒」は自身で作曲した。「アルバム曲の中にも5、6曲ぐらい作曲した歌が入っています。曲作りも好きなので、カップリングはこれからも自分で作っていこうかなって思ってます」と明かした。
今年7月には自身の事務所に所属する初の新人で、初めてプロデュースを手がけた堀内春菜(28)がメジャーデビューをはたした。福岡出身の北山と同じ九州の熊本出身。地元で長くインディーズで活動をしてきた歌姫だ。
「もちろん師匠に相談しました。1人の人間を預かるってことは、すごく大変なこと。その人の人生を大きく左右しますから。でも『頑張ってみろや』とゴーサインが出たんです」。
初のプロデュースで多くのことを学んでいるという。「自分も歌の世界をもっともっと頑張っていかなくちゃいけない中で、この子も育てなきゃいけない。堀内さんを引き上げるためには、自分がもっと上の階段へ登らないといけない。使命感もあって、すごくプラスになっていると思います」。
レコーディングに立ち会って驚いたという。自身の時は北島が側にいて緊張しっぱなしで3日かかったが「彼女は1発取りで30分で終わりました。今の子ですよね」。
インディーズ時代の経験がプラスに働くこともあれば、逆に邪魔する場合もある。「初々しさが必要なところもあると思うんですけど、やはり経験があって年齢も28歳。パンチのある、ちょっとうなり系の演歌で、都はるみさんを思わせるようなところもあります。たくさんの人に愛される歌手になってほしい」。
今年を漢字1文字で表すと「結」だという。「新人が事務所に入った年で、これも結ばれたご縁ですから」。来年は「結果にこだわっていきたい」という。「どんな形でもいいから、ファンの人に何か1つ、お土産を返したいなという気持ちで頑張りたい」。
04年4月に「片道切符」でデビューして早くも21年だ。今年は歌の幅を広げ、新しく新人育成にも取り組んだ。今年まいた種を来年には花咲かせたい。そんな強い決意をにじませた。
【松本久】



