京都大学大学院医学研究科消化器内科学助教の塩川雅広氏が、22日放送のABCテレビ「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」(土曜午前9時30分)に出演。日本の医療にまつわる研究の現状と改善を訴えた。
近年、日本の研究力は低迷しているともいわれ、その原因の1つとして指摘されているのが研究費の不足。ノーベル生理学・医学賞を受賞した大阪大学の坂口志文特任教授も、基礎研究に対する支援を呼びかけていた。
塩川氏ら京大大学院医学研究科消化器内科のチームは、故安倍晋三元首相らがり患していた難病「潰瘍性大腸炎」の発症メカニズムを世界で初めて発見。ただ、研究費の申請に時間がかかることや、医師としての仕事にも追われることもあり、研究には夜間や週末を費やしているという現状がある。
塩川氏は「あんまり言うと大学をクビになっちゃう」と苦笑いしつつ、高市早苗首相に向け「お願いですから研究費を上げてください。いろいろ解決します」と訴える。
トップレベルの研究者でも研究時間が確保できない状況があり、「大発見をしたんですけど、ワンチャン、ノーベル賞と思っているような発見で…なのに人が足りない、お金が足りない状況で、何とかしていただきたい」と話した。
また、塩川氏らはこれまで内視鏡検査でしか診断できなかった潰瘍性大腸炎を、血液検査で診断できるキットを世界で初めて開発。今月、EUでは診断キットが承認されたが、日本ではいまだに承認の見通しが立っていないという。
海外で使用されている医薬品が日本で使用できるようになるまでに1年以上のラグがあることも多く、塩川氏は「本当は日本から皆さんに使っていただきたかったんですけど、日本の規制が厳しくて、なかなか時間がかかっているということで、悲しいなと…」とも述べる。
時間がかかるという問題に、元日本テレビ政治部記者で政治ジャーナリストの青山和弘氏は「ドラッグラグっていって、非常に問題視されている」と話し、「日本もね、かつて薬害事件があったじゃないですか。これの反省もあって、ちょっと慎重すぎるぐらい慎重になっているっていうこともある」と説明。
元内閣官房参与で京大大学院教授の藤井聡氏は「なんでこうなるかっていうと、結局、医療の許認可っていうのは政治的に決まってるんですよ。行政的に。そこに合理性というものが入っている余地が、海外よりも少ないんですよ。合理性だけでやっているなら、EUみたいにすぐパッとやればいいのに、『これを入れてしまったら、今までの治療のやり方が変わって、ここで利益が…商売ができなくなるかどうか…そういうのの調整どうしようかな』みたいなことを考えているんじゃないかと思います」と指摘した。
お笑いタレントほんこん(62)は、「命のほうが大事ちゃうん? 最低でもEUが認めているんやったら…。変なことだけ海外を見習えとか言うてね、グローバルや、グローバルやって。なんでこんなことやらへんの?」と憤慨した。
ただ、高市首相は今年8月、自民党の調査会で、ずっと横ばいが続いてきた「科研費」を2035年までに倍増するように提言するなど、研究をめぐる明るい兆しも。塩川氏は「研究はすごく人のために役に立ちますし、すごく楽しいものなので、これを機に日本の研究がすごくよくなって…。10年後、20年後に絶対に国益で返ってきますので。そういう政策をするような政治家の人を見る目を養っていかないと」と語る。
さらに、「あと根本的な治療法も、劇的に効いて副作用のほとんどないような治療法を開発しているので、ぜひちょっと応援していただきたい。寄付とかも募っているんですけど全然足りないので…。頑張りますのでよろしくお願いします」と呼びかけていた。



