猪瀬直樹参院議員(79)が25日、X(旧ツイッター)を更新。1983年(昭58)に出版した自身のノンフィクション「昭和16年夏の敗戦」を原案に、石井裕也監督(42)が脚本・編集・演出し、8月にNHK総合で放送された「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~」に対し、劇中で描かれた実在の総力戦研究所初代所長の孫が、祖父の名誉が毀損(きそん)されたとNHKや制作会社を提訴した件について「ドラマでは本書を原案としたフィクションと断りを入れている」と主張。「本作は歴史的事実を基にしたフィクションです」と説明している、製作側の主張を追認した。
「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~」は、出身官庁や企業から機密情報を集めて模擬内閣を作り、日本が米国と戦った場合のあらゆる可能性をシミュレートした、実在の総力戦研究所に着想を得たドラマ。“圧倒的な敗北”の結論を手にした若者たちが、開戦へ突き進む軍や本物の内閣と対峙(たいじ)する物語だ。実在した総力戦研究所に着想を得てはいるが、國村隼(70)が演じた所長の板倉大道陸軍少将や関係者はフィクションとして描き、放送の際はテロップでその旨、明示している。
それに対し、飯村さんは祖父の人物像が誤った描写で不当にゆがめられ、名誉を毀損(きそん)されたとし「歴史の歪曲(わいきょく)で、平和を求めて闘う人たちへの侮辱だ」などと主張。NHKや番組制作会社などに、550万円の賠償を求めて東京地裁に提訴した。
猪瀬氏は「猪瀬直樹著『昭和16年夏の敗戦』を原案としたNHKドラマ『シミュレーション-昭和16年夏の敗戦』のなかで飯村所長をモデルとしたと思われる『所長』の描き方がいかにも悪役の如き、ということで石井監督が飯村所長のお孫さんから名誉毀損で訴えられている」と、ドラマと石井監督が置かれている現状を説明。その上で「原作ではそのような『悪役』ではないが、ただし、本書の195.196ページにあるように飯村所長といえども空気を読み忖度する発言をしていた事実もあった」と主張し「『空気』をテーマに据えた石井監督はこの部分を見逃さずドラマのヒントにしたのであろう」と持論を展開した。
この日、ドラマパートをベースに、約40分の追加シーンを加えた劇場版が、映画「開戦前夜」として26年以降の予定で公開が決定したと製作委員会が発表した。



