TBS井上貴博アナウンサー(41)が、28日放送の同局系報道特番「報道の日 2025」に生出演。オウム真理教をめぐる同局の過去の問題について言及し、反省の弁を述べた。
番組では、昭和100年にあたる年にちなみ「激動の100年ニュース」とした特集の中で、オウム真理教について報道。井上アナは「続いてはオウム真理教についてです。地下鉄サリン事件の発生から30年となります」と切り出し、1990年に死者14人、負傷者6000人を出した無差別テロ事件について触れた。
井上アナは「山梨・旧上区一色村に現れた白装束姿。1990年に撮られた写真です。異様な光景です。住民の1人が、これに危機感を抱いて、シャッターを切り続けました」と、白装束の集団が町を歩く写真を紹介。当時、松本智津夫死刑囚らが滞在する教団施設が同地で建設され、地元住民でオウム真理教対策委員会の副委員長だった竹内精一さん(97)が、教団監視のために撮影した約1000枚の写真があることが報じられた。
そのうちの1枚は、窓がついている不審な冷凍車の写真。サリンを散布をした車として、警視庁捜査1課の証拠となったことも伝えられた。ナレーションでは、現在、後継団体アレフが活動しており「アレフは今も危険性をはらんでいる団体であると、公安調査庁は分析しています」との現状も語られた。
井上アナは「もう少し早く何か止める手だてがなかったかという風に感じます」と神妙に話すと、「我々TBSはこのオウム真理教をめぐって、ビデオ問題という大きな問題を引き起こしました。そこに至る経緯や事件について、知らない世代が増えています。そういった中で、反省や教訓をこれからもしっかりと語り継いでいきたい、お伝えしていきたい、そのように考えています」と語った。
TBSとオウム真理教をめぐっては、1989年に、教団の疑惑を追及していた坂本堤弁護士の一家が殺害される事件が発生。事件の引き金となったのは、TBSのワイドショースタッフがオウムを批判する坂本弁護士のビデオ映像を教団幹部に見せたためだ、と95年に報じられた。TBSは当初、否定していたが、96年3月、一転して「見せたと考えられる」と認め謝罪。当時「報道のTBS」と呼ばれ、その象徴的存在だった「ニュース23」キャスター筑紫哲也さんは、番組内で「TBSは死んだも同然」と発言した。



