俳優の木村拓哉(53)が3日、都内で行われた主演映画「教場 Requiem」(中江功監督、20日公開)完成披露試写会舞台あいさつで、粋なサプライズを敢行した。すでに多数の媒体で取り上げられているが、舞台あいさつに訪れた観客に、木村からポップコーンを手渡しするという異例のファンサービスだった。

この日のイベントは今作の前編「教場 Reunion」を鑑賞後、カーペットアライバルイベントを挟み、後編の「Requiem」を鑑賞するという流れだった。前後編合わせた鑑賞時間だけでも5時間という長尺イベント。フル参加した人なら空の色が変わるほどの長さ。1日の大半を費やしている。

サプライズは急きょ実施が決定し、マスコミに概要が伝えられたのも舞台あいさつが始まる数十分前だった。舞台あいさつが始まり、記者席から木村の視線の先を追ってみた。客席をブロックごとに大まかに見るのではなく、右から左へ、左から右へ、下から上へと、一席一席の様子を確認しながら視線を運んでいるように見えた。

そしてサプライズの瞬間へ。司会者から「木村さんから、会場の皆さんにちょっとした差し入れがあると聞いたんですけど」と振られると、木村は「すごい長い時間スクリーンと向き合ってくださるってうかがったので」と前置き。「ここから皆さんの席を確認させていただいているんですけど、中にはもうポップコーンをお持ちの方も」とほほ笑むと、感づいた観客から順にざわめいた。期待に色づき始めた空気の中、木村が「『退校届』を貼り付けたポップコーンを用意させていただきました」と発表すると、客席からは「すごーい!」と大歓声。予想外の展開を飲み込めず、あぜんとする観客もちらほらいた。

「風間教官」こと木村は「女子は(靴が)ヒールで移動が大変だから、メンズで配らせていただきます」とし、綱啓永(27)ら“教え子”の男性キャストを引き連れ、観客400人のもとへ。個包装のポップコーンを手に、観客と言葉を交わしながら最後まで配り続ける“木村教官”の大きな背中に、壇上から眺めていた女性キャストたちからは「見ていてもうれしい(光景)」と言葉が漏れた。

サプライズはまだ終わらなかった。この日は節分。木村は、豆まき用の豆をお土産として用意したことも明かし「皆さんの人生のうちの5時間を俺たちにくれたので。『すみません』という気持ちを込めて」と言葉を添えた。

スターならではの振るまい、とシンプルに表現してしまうのは、やぼだと感じた。年の離れた多くの後輩タレントたちが木村を慕っている。愛情深い人柄が、その理由の1つなのかもしれない。【望月千草】