女子レスリング五輪で3連覇の偉業を成し遂げた“霊長類最強女子”の吉田沙保里(43)がCD「I'm Here/勝ちにいく、今」で10月28日に歌手デビューします。先日、都内でレコーディングを行った直後にインタビューを行いました。吉田にとって歌手としての初取材です。

意外にも、吉田にとって耳になじみのある音楽はポップスではなく演歌歌謡曲だといいます。

吉田はレスリング選手だった父・栄勝さんが自宅に開いた道場で3歳から指導を受けます。「子どものころ、道場で練習前に流れていた音楽は演歌。島倉千代子さんの『人生いろいろ』などです」。幼児体験の音楽は演歌。子どもにとっては少し渋めのジャンルだと思うのですが「あの曲調が結構好きなんです」と笑顔で話しました。

試合に出るようになると、栄勝さんの運転する車で会場に向かうようになります。「その時も車中で父が流すのは演歌。なので演歌をずっと聞いて育って覚えたっていう感じです」と明かします。レスリングと一緒に演歌も体に染み込んだという感じでしょうか。

最近は、コロナ禍で自己流で覚えたギターの弾き語りをSNSにアップ。“ギター女子”としてもバズっています。「誰にも習っていないから自己流で楽しくやっているだけ」と謙遜しますが、見事な“ギターさばき”です。運動神経や反射神経が優れているから、楽器に対しても“勘が良い”と思います。

子どものころ、幼なじみの家にはピアノがあったそうです。「その子は習っていたんです。私は楽譜を読めないけれど、幼なじみに教わって弾けた。めっちゃ楽しいと思った」と振り返ります。やはり、ピアノ演奏もサラリと身に付けていました。

歌手で憧れているのはDREAMS COME TRUEの吉田美和。ライブを見てほれ込んだそうです。「50歳をすぎても歌って踊って歌って走って。普通は息が続かない。彼女は最強。すごいです」と一気に話して「1日だけ生まれ変われるなら吉田美和さんになりたい。歌で人を魅了できるなんてめちゃくちゃ格好良いなと思います」と続けました。

女子レスリングで五輪3連覇。ほかにも世界大会で16連覇、個人戦は206連勝。前人未到の戦績を誇り、戦う雄姿で多くの人を魅了してきた吉田が今度は歌謡界のマットに挑みます。これには「アスリートとして見られることが多かったので、違った味が出て良いかな」と味のあるコメントをしました。

19年1月に33年間の現役生活を引退してから7年8カ月。トップアスリートから歌手への華麗なる転身。まさに“人生いろいろ”と言えるかも。【松本久】